ジチテン

インフラ長寿命化計画

読み:いんふらちょうじゅみょうかけいかく

別名:個別施設計画
意味

インフラ長寿命化計画とは、「インフラ長寿命化基本計画」(平成25年11月策定・令和3年改訂)に基づき国・地方公共団体が各施設の類型ごとに策定する計画で、道路・橋梁・トンネル・下水道・公共建築物等のインフラを予防保全の考え方で計画的に維持管理・更新し、ライフサイクルコストの縮減を図るものである。市区町村レベルでは「個別施設計画」として策定される。

高度経済成長期に集中的に整備された道路・橋・上下水道などのインフラが一斉に更新時期を迎えるなか、損傷してから直す「事後保全」を続けると、財政が更新費用に耐えられなくなる。インフラ長寿命化計画は、この問題に対応するため「インフラ長寿命化基本計画」(平成25年11月策定・令和3年改訂)に基づき国・地方公共団体が策定する計画であり、道路・橋梁・トンネル・下水道・公共建築物などを予防保全の考え方で計画的に維持管理・更新し、ライフサイクルコストの縮減を図るものである。

市区町村のレベルでは、施設の類型ごとに「個別施設計画」として具体化される。施設全体の方針(建替え・集約・廃止などの方向性)を示す公共施設等総合管理計画(平成26年に策定が要請された)が上位計画であるのに対し、個別施設計画はそれを受けて施設ごとの点検・維持修繕・更新の段取りを定める下位計画に当たる。事後保全から予防保全への転換を、計画として明文化し財政の見通しと結びつける点に役割がある。

予防保全の考え方

予防保全とは、施設が重大な損傷や機能停止に至る前の段階で定期的な点検・小規模修繕を実施し、大規模改修・建替えの必要が生じる時期を延伸する維持管理手法である。コスト面での試算では、事後保全(損傷後に対応)に比べて予防保全(定期的な小修繕)を実施した場合にライフサイクルコストを2〜3割削減できるとされる。橋梁・トンネル・下水道管路等のインフラは劣化が進行すると修繕コストが指数的に増大する特性があり、早期発見・早期対処が財政効率上有利となる。

橋梁・トンネルの5年に1回点検

道路法(昭和27年法律第180号)第43条の2に基づき、2014年(平成26年)からすべての道路管理者は橋梁・トンネル・横断歩道橋・門型標識等の道路施設を5年に1回、近接目視で定期点検することが義務付けられた。点検結果は健全度の判定(Ⅰ:健全〜Ⅳ:緊急措置段階)に分類され、判定結果に基づいて修繕・通行規制・撤去等の措置が取られる。小規模市区町村では橋梁点検の技術者確保が困難なため、都道府県や広域的な協力体制を活用する例が多い。

財政措置と交付金

個別施設計画に基づく橋梁・トンネル等の修繕は「道路メンテナンス補助(防災・安全交付金等)」の対象であり、地方財政措置(緊急防災・減災事業債・公共施設等適正管理推進事業債等)が活用できる。小規模自治体が多数の橋梁・施設を抱えながら更新費用を捻出できない問題が深刻化しており、不要施設の廃止・複数自治体による共同管理・民間への維持管理委託等の財政負担軽減策が検討されている。財源を計画的に確保するうえでは、点検結果に基づいて修繕の優先順位を付け、緊急度の高い施設から限られた予算と起債を重点的に投じる考え方が欠かせない。

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