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公害健康被害補償制度

読み:こうがいけんこうひがいほしょうせいど

意味

公害健康被害補償制度とは、大気汚染や水質汚濁による健康被害を受けた者を救済するため、公害健康被害の補償等に関する法律に基づき、認定された患者に補償給付を行う制度である。

かつての激甚な公害で健康を損なった人を救済するために設けられたのが公害健康被害補償制度である。四日市ぜんそくに代表される大気汚染や、水俣病・イタイイタイ病といった水質汚濁による健康被害に対し、汚染原因者の負担を背景に、認定患者へ療養費や障害補償費などを給付する。被害者が個別に訴訟で因果関係を立証する負担を負わずに救済を受けられるようにした点に特色がある。給付の対象は、指定された地域・疾病について認定を受けた患者である。費用は、ばい煙や汚染物質を排出した事業者からの賦課金などで賄う仕組みがとられ、汚染者負担の原則を具体化している。現在は新たな第一種地域の指定は解除され、既認定者の補償が中心となっているが、公害行政の歴史を理解するうえで欠かせない制度である。

認定と給付の仕組み

公害健康被害補償制度では、指定地域に一定期間住み、指定疾病にかかった者が、都道府県知事等の認定を受けて補償給付の対象となる。給付には、療養の給付・療養費、障害補償費、遺族補償費、療養手当などがある。被害者が汚染と疾病の因果関係を個別に立証しなくても、地域と疾病の指定により定型的に救済される点が、民事訴訟による損害賠償と大きく異なる。認定患者の認定更新や等級の判定は、医学的な審査を経て行われ、被害の程度に応じて給付内容が決まる。

汚染者負担と地域指定の変遷

この制度の費用は、汚染原因者である事業者からの負担金で賄われる点に特徴がある。大気汚染に関する補償は、ばい煙を排出する事業者から徴収する賦課金と自動車重量税の一部を財源とし、汚染者負担の原則を制度化している。かつては大気汚染が著しい地域が第一種地域に指定され、ぜんそくなどの非特異的疾患の患者が広く認定されたが、大気環境の改善を理由に第一種地域の指定はすべて解除され、新規認定は行われていない。一方、水俣病やイタイイタイ病のような原因物質と疾病の対応が明確な第二種地域の枠組みは残る。制度は、公害の激しかった時代の被害者救済と、汚染者負担の考え方を後世に伝える役割を持つ。

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