ジチテン

公益通報

読み:こうえきつうほう

別名:公益通報者保護制度
意味

公益通報とは、組織内の法令違反などの不正を、労働者等が通報窓口や行政機関に通報することをいう。公益通報者保護法に基づき、通報したことを理由とする解雇その他の不利益な取扱いから通報者が保護される。

組織ぐるみの不正を内部の者が告発しても報復されないようにし、不正の早期是正を促すための制度である。組織内の不正は外部からは見えにくく、気づいた職員が声を上げなければ放置されやすい。しかし通報すれば左遷や解雇といった報復を受ける懸念から、声を上げずに沈黙する者が大半となる。公益通報者保護法は、一定の要件を満たす通報を行った者を不利益取扱いから保護し、通報をためらわせない環境を整える。自治体も事業者・行政機関の双方の立場で関わり、内部の職員からの通報を受ける窓口(内部公益通報の受付体制)の整備が義務づけられている。

通報の三類型と保護の要件

公益通報者保護法は、通報先を組織内部の窓口・処分等の権限を持つ行政機関・報道機関等の外部の三つに分け、それぞれ保護を受けるための要件を段階的に定める。内部窓口への通報は要件が緩く、外部に行くほど真実相当性などの要件が厳しくなる。これは、まず組織内での自浄を促しつつ、握りつぶしの恐れがある場合に外部への通報も保護する設計である。保護の中身は、解雇の無効、降格減給等の不利益取扱いの禁止などで、通報を理由とする報復を法的に封じる。

自治体の二つの立場と窓口整備義務

自治体は公益通報をめぐって二つの立場を持つ。一つは、自らの組織内部の不正について職員からの通報を受ける「事業者」としての立場で、一定規模以上の事業者には内部公益通報に対応する窓口の設置と担当者の指定が義務づけられている。もう一つは、許認可等の権限を持つ行政機関として、住民や事業者の従業員から所管分野の法令違反の通報を受ける立場である。前者は服務・コンプライアンスの問題、後者は許認可・監督事務の問題として、それぞれ担当部署が異なる。通報窓口の信頼性と通報者の秘密保持が、制度を機能させる鍵となる。

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