ジチテン

戸別受信機

読み:こべつじゅしんき

意味

戸別受信機とは、市町村防災行政無線(同報系)の放送を各世帯の屋内で直接受信できる専用の受信端末である。

屋外に設置したスピーカーから防災行政無線を流しても、豪雨の風雨音にかき消され、雨戸を閉めた家の中までは届かない——この「聞こえない」問題を世帯ごとに解決するのが戸別受信機である。市町村防災行政無線の同報系は屋外拡声子局(スピーカー)で広く放送するが、暴風雨時や高気密住宅、難聴の高齢世帯では音声が届きにくく、避難情報の伝達漏れが避難の遅れを招く。戸別受信機は各家庭の屋内に置く専用端末で、放送を直接受信して鳴動し、文字表示や録音再生を備えた機種もあるため、屋外スピーカーの死角を補える。難しいのは、全世帯への配備には端末費用と設置の手間がかかり、自治体の財政負担が重いことで、要配慮者世帯を優先して無償貸与する一方、一般世帯は希望者への有償頒布にとどめる例も多い。近年はFM放送波を使う方式や、緊急速報メール・防災アプリなど多様な伝達手段との役割分担をどう設計するかが論点になっている。

屋外スピーカーの死角を埋める端末

市町村防災行政無線の同報系は屋外拡声子局による放送が基本だが、暴風雨で音がかき消される、住宅が高気密で外の音が入らない、聞き取りにくい高齢者がいる、といった理由で屋内に届かないことがある。戸別受信機はこの伝達の死角を世帯単位で埋めるための端末で、屋内で放送を直接受信して鳴動するため、天候や住宅性能に左右されにくい。文字表示や音声の録音・再生機能を持つ機種は、聞き逃しや難聴への配慮にもなる。近年は無線の代わりにFM放送波や携帯回線を使う簡易な受信機もあり、防災行政無線の更新に合わせて方式を選ぶ団体が増えている。

全戸配備の費用と配備方針

戸別受信機の弱点は、一台あたりの端末費用と設置の手間が大きく、全世帯への配備が自治体財政の重荷になる点である。このため、避難に支援を要する要配慮者世帯や自主防災組織の役員には優先的に無償貸与し、一般世帯には希望者への有償頒布や貸与にとどめる、という配備方針をとる団体が多い。緊急速報メールや防災アプリといった他の伝達手段と組み合わせ、戸別受信機をどの層に重点配備するかを地域の実情に応じて設計することになる。

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