緊急輸送道路とは、大規模災害時に救助・救急や物資輸送、復旧活動のために優先的に通行を確保すべき道路として都道府県が指定する道路ネットワークで、高速道路や国道、主要地方道などが第1次から第3次に区分して指定される。
大規模災害では、道路が寸断されれば救助も物資も被災地に入れず、被害が拡大する。緊急輸送道路は、こうした事態に備えて、救助・救急・物資輸送・復旧活動のために優先的に通行を確保すべき道路として都道府県が指定する道路ネットワークである。
災害対策基本法などを根拠に各都道府県の地域防災計画に定められ、高速道路や国道の主要幹線を第1次、都道府県道や主要な市区町村道を第2次、避難所・病院などの重要施設に至る路線を第3次として、3段階で指定される。指定された道路の沿道では、地震時に倒れて道路をふさぐ建築物の耐震化が促されるほか、発災後は、がれきを除いて通行を確保する道路啓開が優先的に行われる。動脈となる道路を守ることが、救助と復旧の前提となる。
指定された道路の沿道建築物規制
都市計画法・建築基準法の改正(2008年)により、第1次緊急輸送道路の沿道では一定規模以上の建築物の耐震診断・耐震改修が義務付けられた(「沿道建築物の耐震化」)。建物が倒壊して道路を塞ぐと緊急輸送が止まるため、沿道建築物の耐震化は市区町村にとって重要な防災施策となる。耐震化には費用も時間もかかるため、補助制度の活用や所有者への働きかけによって計画的に進めていく必要がある。沿道の建物を倒さないことが、その先の救助・避難・物資輸送のすべてを支える前提となる。
道路啓開と優先通行
大規模災害発生直後は倒壊建物・土砂・流木等で道路が寸断されることがある。緊急輸送道路の通行を確保するための「道路啓開(ロードクリアランス)」は国土交通省の緊急災害対策派遣隊・道路管理者・自衛隊などが連携して優先的に実施する。市区町村は、自ら管理する道路の状況を把握して上位機関へ情報を提供する役割を担い、救助と物資の動脈を一刻も早く回復することが要点となる。道路がいつ通れるようになるかは、救助の成否と被災地の復旧の速さを大きく左右する。
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