ジチテン

受援体制

読み:じゅえんたいせい

意味

受援体制とは、大規模災害時に他の自治体やボランティア等から提供される人的・物的な支援を、被災自治体が受け入れて活用するために整える庁内の体制である。

大規模災害では全国から応援職員や物資が送られてくるが、受け入れる被災自治体の側に段取りがなければ、応援は十分に活かされない。誰が応援を割り振り、物資をどこで仕分けるかが決まっていなければ、人も物も滞ってしまう。受援体制は、こうした支援を受け止めて活用するための庁内の備えである。

災害対応では支援を「送る」側の整備が先行し、「受ける」側は手薄になりがちだった。熊本地震(2016年)での反省を受けて内閣府が2017年にガイドラインを示し、受援担当の設置や受援計画の策定が進められている。平時から備える「受援力」をどう持つかが課題になる。

「支援を出す」議論の陰で手薄だった「受ける」側

災害対応をめぐる議論は、長く応援を送り出す側の整備に重きが置かれてきた。被災地へ職員や物資をどう派遣するかは制度化が進む一方で、被災自治体が受け入れる側の段取り、すなわち誰がどこで応援職員に役割を割り振り、送られてくる物資を誰が管理するかという受援の体制は手薄なままだった。2016年の熊本地震では、全国から駆けつけた応援職員や物資を被災自治体が受け止めきれず、人や物が十分に活かされない場面が課題として表れた。これを受けて内閣府は2017年に「地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドライン」を示し、受援を災害対応の正面の課題として位置づけ直した。送る備えと受ける備えのどちらが欠けても支援は届かない。

プッシュ型支援を活かすも殺すも受援次第

被災自治体の要請を待たずに物資を送り込むプッシュ型支援も、それを受け止める受援体制がなければ機能しない。県が設ける物資集積拠点まで物資が届いても、そこで品目ごとに仕分けし、必要な避難所まで配るラストワンマイルを担う人手と情報がなければ、物資は拠点に積み上がったまま滞留する。人的な応援も同じで、応援職員を受け入れて業務に振り分ける窓口がなければ、駆けつけた人員が手持ち無沙汰になる。送り込む支援と受け入れる体制は表裏一体であり、受援計画ではあらかじめ受援担当や応援自治体との連絡窓口、物資拠点の運営手順を定めて、送られてくる支援を取りこぼさない段取りを用意しておく。

平時に「受援力」を備えておく難しさ

受援体制は、被災してから急ごしらえで組めるものではない。どの業務にどれだけの応援が要るかを見積もり、応援を受け入れる窓口や受援担当を定め、近隣自治体や民間団体と応援協定を結んでおくといった準備を、平時のうちに済ませておく必要がある。こうした平時からの備えを内閣府は「受援力」と呼ぶ。しかし、いつ来るか分からない、来ないかもしれない災害のために、限られた人員と予算を平時に割くことには常に後回しにされやすい難しさがある。業務継続計画(BCP)と一体で受援計画を整え、訓練によって受援担当が動けるようにしておくことが、いざというときに支援を活かせるかどうかを左右する。

つながりのある用語

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