ジチテン

自立相談支援機関

読み:じりつそうだんしえんきかん

意味

自立相談支援機関とは、生活困窮者自立支援法(平成25年法律第105号)第5条に基づき市区町村が設置する、生活困窮者(経済的困窮や社会的孤立等により生活が成り立たなくなるおそれのある者)の相談を包括的に受け付け、個別支援計画を作成・実施する支援機関のことである。「断らない相談窓口」として位置付けられる。

生活に行き詰まった人が、制度の縦割りでどの窓口にも当てはまらず相談先をたらい回しにされれば、困窮が深まり生活保護に至ってしまう。自立相談支援機関は、生活困窮者の相談を包括的に受け付けて個別支援計画を作成・実施する機関であり、生活保護に至る前の段階で「断らない相談窓口」として自立を支える点に意義がある(生活困窮者自立支援法第5条)。

市区町村の福祉担当課または委託先のNPO・社会福祉法人などが運営し、主任相談支援員・相談支援員・就労支援員が配置される。相談者の状況を包括的に把握し、就労支援・家計改善支援・居住確保支援・子どもの学習支援などを組み合わせた個別支援計画を作る。生活保護が適切と判断されれば保護申請へつなぎ、逆に生活保護の入口として活用される場合もある。

制度の対象と「生活困窮者」の定義

生活困窮者自立支援法第3条第1項は「生活困窮者」を「就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者」と定義する。生活保護受給者は制度の対象外であるが、生活保護の「二歩前・一歩前」の段階にある人を早期に支援し、生活保護受給に至らないよう自立を促すことが制度の趣旨である。生活保護が最低限度の生活を保障する最後の安全網であるのに対し、自立相談支援はその手前で早めに手を差し伸べ、困窮が深刻になる前に立て直しを支える役割を担う。

任意事業との組み合わせ

生活困窮者自立支援制度には必須事業(自立相談支援事業・住居確保給付金)と任意事業(就労準備支援事業・一時生活支援事業・家計改善支援事業・子ども学習・生活支援事業等)がある。市区町村は地域の実情に応じて任意事業を選択・実施することができ、自立相談支援機関はこれらの複数事業を有機的に組み合わせて支援を提供する。任意事業の実施状況は自治体間で差があり、人口規模・財政状況・地域の支援ニーズによって取り組みの幅が異なる。

重層的支援体制整備事業との統合

令和3年施行の重層的支援体制整備事業(社会福祉法第106条の4)は、高齢・障害・子育て・生活困窮の各分野の相談支援機能を横断・統合するものであり、自立相談支援機関はその中核の一つを担う。複合的な課題(生活困窮に加えて障害・精神疾患・ひきこもり等が重なる)を抱えた相談者への対応では、自立相談支援機関が「総合受付」として機能し、各専門機関(地域包括支援センター・障害相談支援事業所等)と連携して支援を展開する。

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