一者入札とは、入札の参加者が一者のみで、競争が実質的に成立しない状態で行われる入札をいう。
複数の参加者が価格を競うのが入札の前提だが、結果として一者しか応札しないことがある。この競争性が問われる状態が一者入札である。一者入札は、入札公告に対して一者しか申し込まなかった場合や、複数が参加資格を得ても実際に応札したのが一者だった場合に生じる。競争原理が働かないため、その一者の入札額が予定価格の範囲内であっても、価格が適正かどうかの検証が難しく、競争性・経済性の面で問題視される。発注者は、一者入札となった原因(参加資格が厳しすぎる、工期が短い、特殊な技術を要する、地域に業者が少ない等)を分析し、入札を成立させて契約するか、改めて条件を見直して再度公告入札を行うかを判断する。一者入札を機械的に無効・中止とする扱いは法令上の一般則ではなく、発注者の運用方針によるため、その取扱いをあらかじめ定めておくことが望ましい。
一者応札・一者入札の問題と原因
一者入札(応札したのが一者のみ。一者応札ともいう)は、入札の競争性が確保されない点で問題となる。複数の参加者が価格を競うことで適正な価格が形成されるのが入札の趣旨だが、参加が一者にとどまると、その者の応札額の妥当性を競争によって検証できない。原因としては、入札参加資格の要件が厳しすぎて参加できる業者が限られること、工期や納期が短すぎること、特殊な技術・実績を要すること、地理的に対応できる業者が少ないこと、仕様が特定の業者に有利になっていることなどが考えられる。発注者は、一者入札が続く案件について、これらの原因を分析し、参加資格の緩和、工期の見直し、発注ロットの調整、十分な公告期間の確保などの改善を図り、競争性を高める努力をする。
一者入札の取扱いと再度公告
一者入札となった場合の取扱いは、法令で一律に定められているわけではなく、発注者の運用方針による。その一者の入札額が予定価格の範囲内であれば、競争入札として成立させて契約する扱いもあれば、競争性を確保するために入札を取りやめ、条件を見直して再度公告入札を行う扱いもある。後者を選ぶ場合は、同じ条件で再公告すると再び一者になりやすいため、参加資格の要件や工期、発注の方法を見直してから再公告する。発注者は、一者入札となったときの判断基準(成立させるか、再度公告するか)と、その際の手続をあらかじめ要綱等で定め、案件ごとに恣意的な扱いとならないようにする。一者入札の発生状況の把握と原因分析は、競争性・透明性・経済性を確保するうえで、発注者の調達改善の重要な手がかりとなる。
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