外国人児童生徒教育とは、日本語を母語としない外国籍や外国にルーツをもつ児童生徒に対し、日本語指導や適応支援を行う学校教育の取組である。
外国籍の住民が増え、日本語が十分でないまま学校に通う子どもが各地で増えている。日本語の壁を放置すれば、授業についていけず学習に遅れが生じ、進学や将来の選択が狭まる。外国人児童生徒教育は、日本語指導と学校生活への適応支援によって、こうした子どもの学ぶ権利を実質的に保障する取組である。
外国籍の子どもには日本の義務教育の就学義務は及ばないが、国際人権規約等を踏まえ、希望すれば公立小中学校に無償で受け入れるのが国の方針である。学校では、通常の学級に在籍しつつ別の教室で日本語を学ぶ「取り出し授業」や、特別の教育課程による日本語指導が行われる。日本語指導が必要な児童生徒が一定数いる学校には、加配教員や日本語指導担当教員が配置される。
指導の担い手の確保や、保護者との言語の壁を埋める母語支援員・通訳の配置、就学手続の案内が市区町村教育委員会の実務となる。子どもの母語や文化的背景は多様で、点在して在籍する地域では専門人材を確保しにくい。学習言語の習得には数年を要するため、日常会話ができても教科学習でつまずく子どもへの継続支援が課題である。
就学義務の不及と受け入れの方針
日本の義務教育の就学義務は日本国籍の保護者に課されるもので、外国籍の子どもには法律上の就学義務は及ばない。しかし国は、国際人権規約・児童の権利条約の趣旨を踏まえ、外国籍の子どもが希望すれば日本人と同様に公立義務教育諸学校へ無償で受け入れる方針をとっている。授業料・教科書の無償や就学援助も日本人と同様に及ぶ。就学義務がないがゆえに、就学状況が把握されず学校に通っていない「不就学」の子どもが生じやすく、文部科学省の全国調査でも一定数の就学状況不明の子どもが確認されており、市区町村による就学案内と居住実態に基づく状況把握が重要になる。
特別の教育課程による日本語指導
2014年度から、日本語指導が必要な児童生徒について、通常の教育課程の一部に替えて日本語指導を行う「特別の教育課程」が制度化された。これにより、在籍学級から離れて個別・少人数で計画的に日本語を学ぶ指導が、正規の教育課程上の位置づけを得た。指導の前提として、生活で使う会話の力(生活言語)と教科を学ぶための力(学習言語)は別物で、後者の習得には長い年月を要する。会話ができることで支援を打ち切ると教科学習でつまずくため、継続的な見極めが要る。
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