ジチテン

多文化共生

読み:たぶんかきょうせい

意味

多文化共生とは、国籍・民族・文化的背景の異なる人々が互いの文化的差異を認め合い、対等な関係のもとで地域社会の構成員として共に生きていくことをいう。総務省は2006年(平成18年)の「多文化共生の推進に関する研究会報告書」でこの概念を定義し、地方公共団体に多文化共生推進プランの策定を促している。

在留外国人数は令和5年末時点で約341万人(出入国在留管理庁)と過去最高を更新しており、労働力不足を補う外国人労働者・技能実習生・特定技能外国人の受け入れ拡大に伴って、地域社会で日本人と外国人がともに暮らす場面が急速に増えている。多文化共生は、こうしたなかで国籍や民族・文化的背景の異なる人々が互いの差異を認め合い、対等な地域社会の構成員として共に生きていくことを指す。

市区町村が取り組む多文化共生施策は、地域の日本語教室の運営や日本語指導員の養成といった日本語学習支援、窓口・ウェブサイト・案内板などの行政・生活情報の多言語化、外国人住民相談員や通訳ボランティアを活用した相談窓口の設置、外国籍の子どもの就学促進と学習支援などから成る。これらによって、外国人住民が孤立せず生活できる環境を整える。

多文化共生推進プランの策定

総務省の「多文化共生の推進に関する研究会報告書」(平成18年)以降、都道府県・政令市を中心に「多文化共生推進プラン(指針・計画)」の策定が進んだ。令和4年(2022年)には日本語教育の推進に関する法律(平成31年法律第48号)の理念のもと、国が「多文化共生の推進に係る標準的指標」を公表し、外国人住民の受け入れに必要な施策の整備状況を可視化する仕組みが設けられた。市区町村はこの指標を参考に自治体の取り組みを評価・改善する。

日本語教育支援の課題

地域の日本語教育は日本語ボランティアに依存する割合が高く、担い手の高齢化・後継者不足という課題を抱えている。日本語教育の推進に関する法律は地方公共団体に日本語学習機会の提供努力義務を課しており、自治体が地域日本語教育の総括コーディネーターを配置して体制を整備するための交付金制度が設けられている。外国籍の子どもが学齢に達しても学校に就学しないケース(就学不明児童)の把握・就学支援は市区町村教育委員会の課題であり、外国語での保護者対応体制の整備が急務となる。

特定技能・技能実習制度との関係

特定技能外国人(入管法に基づく在留資格)の受け入れが拡大するなか、製造業・農業・介護・建設業等の特定産業分野で外国人労働者を多数雇用する市区町村では、住民票国民健康保険・子どもの就学等の行政手続きを多言語で案内する体制整備が急務となっている。外国人向け生活ガイドブック・多言語アプリ・自動翻訳を活用した窓口対応の整備が進んでいるが、窓口職員の対応力向上(コミュニケーション技術・文化的背景の理解)も課題である。

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