中国残留邦人等支援給付とは、永住帰国した中国残留邦人や樺太残留邦人等とその特定配偶者のうち世帯の収入が一定の基準に満たない人に対し、生活保護に準じた基準で生活費等を支給する制度をいう。
国策に翻弄され、帰国後も言葉の壁で十分に働けなかった人々の老後を、生活保護で支えてよいのか。この問いへの政治決着が支援給付である。中国残留邦人等支援法(平成6年法律第30号)に基づく施策は、残留孤児らが国に損害賠償を求めた集団訴訟を背景に2007年に大きく改められ、満額の老齢基礎年金の支給とあわせて、なお生活の安定が図れない世帯に生活保護に準じた支援給付を行う現行の枠組みが2008年4月に始まった。給付には生活支援給付、住宅支援給付、医療支援給付、介護支援給付などがあり、実施機関は福祉事務所である。生活保護と異なる独自の配慮として、収入認定の取り扱いに特例が設けられ、中国語等のできる支援・相談員が配置される。対象者の高齢化が進み、本人の死亡後に残された配偶者(特定配偶者)への支援金の創設など、制度は段階的に拡充されてきた。
生活保護との違いと運用の配慮
支援給付は生活保護法の例により行われるが、生活保護とは別の制度である。2007年の見直しは、国の施策により帰国が遅れ、帰国後も日本語の習得や就労に困難を抱えた当事者を通常の生活保護で支えることへの強い抵抗感に応えたもので、満額の老齢基礎年金の支給と支援給付の組み合わせという独自の所得保障を作った。収入認定では公的年金等の取り扱いに生活保護と異なる特例が置かれ、年金を受けても給付が同額減るだけという構造を避けている。名称も「保護」を用いず「支援給付」とし、実施機関の福祉事務所には中国語等に通じた支援・相談員が配置される。本人の死亡後に残された特定配偶者への配偶者支援金の創設など、対象者の高齢化に対応した拡充も行われてきた。地域の日本語教室や交流事業といった自立支援施策と一体で運用される点も、金銭給付に閉じない特徴である。
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