文書管理とは、組織が業務のなかで作成し、または受け取った文書を、分類し、保存し、活用し、廃棄するまでの一連の取扱いを定めて、組織的に行うことをいう。文書管理規程や文書分類表などに基づいて行われる。
行政の活動は文書によって記録され、その文書が探せなければ、過去の経緯を確かめることも、説明責任を果たすこともできない。文書管理は、組織が扱う膨大な文書を、つくられてから廃棄されるまで秩序立てて取り扱うための、庁内の基礎的な業務である。
組織が業務で作成し、または収受した文書を、定められた分類に従って整理し、必要な期間保存し、業務に活用し、保存の期間が過ぎれば廃棄するという一連の流れを、規程や分類表に基づいて組織的に行う。文書を個人が手もとで抱えるのではなく、組織の共有の財産として管理することで、担当者が代わっても必要な文書を引き継ぎ、探し出せるようにする。適切な文書管理は、業務の効率を支えるだけでなく、住民への情報公開や、後からの検証に応えるための前提となる。庁内のあらゆる業務の土台となる、地味だが欠かせない営みである。
公文書管理との違い
文書管理と紛らわしいのが、公文書管理である。両者は重なる部分が大きいが、指す範囲と拠りどころが異なる。公文書管理は、公文書管理法に基づき、公文書を、作成から、現に使う段階、保存、そして歴史的に重要なものを公文書館へ移す移管や廃棄に至るまで、法的なルールに従って管理することを指す。これは、行政の活動を記録し、後の世代や国民への説明責任を果たすという観点を強く持つ。これに対し文書管理は、こうした法に基づく公文書の管理を含みつつ、より広く、日々の業務で扱う文書を庁内で効率的に取り扱う組織運用の総称を指す。文書分類表の整備、ファイルの仕方、保存場所の決め方といった、現場の実務の工夫まで含む。法制度としての公文書管理と、庁内運用としての文書管理という、観点の違いを押さえると整理して理解できる。
文書管理規程と保存期間
文書管理を組織的に行う拠りどころとなるのが、文書管理規程と、文書ごとの保存期間の定めである。文書管理規程は、文書をどう分類し、誰が、どのように保存し、いつ廃棄するかといったルールを定めた庁内の決まりで、訓令などの形で定められる。これに基づき、文書の種類ごとに保存の期間が定められ、期間が過ぎた文書は、定められた手続を経て廃棄される。この保存期間の設定が実務では難しい。短すぎれば、後に必要となった文書が失われて検証や説明ができなくなり、長すぎれば、保存の場所や手間の負担が際限なく膨らむ。どの文書をどれだけ残すかの判断は、業務上の必要と、説明責任の要請、保存の負担との兼ね合いのなかで定められる。適切な保存期間の設定と、それに沿った確実な廃棄が、文書管理を実効あるものにする。
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