災害現場の車両や職員と本部を、どの電波で双方向に結ぶか——260MHz帯は、市町村のデジタル移動通信システムが使う周波数帯である。標準規格ARIB STD-T116に基づき、4値FSKの変調で個別・グループ・一斉の通話に対応する。住民への一斉放送を担う同報系の60MHz帯とは別に、移動系の双方向通信に割り当てられている。電話網が使えない災害時でも、自治体が独自に保つ連絡網の基盤になる。
移動系に割り当てられた帯
260MHz帯は、市町村が車両や職員との双方向連絡に使う移動系のデジタル防災行政無線(市町村デジタル移動通信システム)の周波数帯である。標準規格ARIB STD-T116が定める方式で、特定の相手との個別通話、複数を束ねたグループ通話、区域内への一斉通話に対応する。住民へ一方向に放送する同報系の60MHz帯とは用途も帯も異なり、災害対応にあたる組織内の連絡を担う。電話網が途絶えても、自前の無線網で通信を保てる点に意味がある。
アナログ移動系からの移行
かつての移動系防災行政無線はアナログ方式で運用されてきたが、音声の秘匿性や多重化のため、260MHz帯のデジタル方式への移行が進んでいる。変調にはπ/4シフトQPSKより構成の簡素な4値FSKが採られ、装置を比較的安く整備できる。自治体が移動系を更新する際は、ARIB STD-T116に適合した機器へ切り替え、基地局と移動局の配置、災害現場での運用方法を設計する。同報系の更新とあわせて、二つの帯にまたがる無線網全体をどう維持するかが課題になる。
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