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ジチテン

統括安全衛生管理

読み: とうかつあんぜんえいせいかんり

意味

統括安全衛生管理とは、労働安全衛生法に基づき、建設業等で複数の請負人の労働者が同一の場所で混在して作業する場合に、元方事業者が現場全体の労働災害防止を一元的に管理する仕組みである。

一つの現場に元請と複数の下請の労働者が入り混じって働くと、各社がばらばらに安全対策を講じても、クレーンの下で別会社が作業する、足場の管理者が不明といった会社間のすき間で災害が起きる。これを防ぐため、労働安全衛生法は最も上位で工事を統べる元方事業者に、現場全体を見渡した安全衛生の調整を義務づける。建設業・造船業の特定元方事業者は、労働者数が一定規模に達する現場で統括安全衛生責任者を選任し、その者が元方安全衛生管理者を指揮して、協議組織の設置、作業間の連絡調整、作業場所の巡視などを統括管理する(同法第15条・第30条)。下請各社の自主的な安全管理を否定するのではなく、混在作業ゆえに一社だけでは防げない災害について、現場全体の責任を元方に集約する点に要点がある。重層下請構造のもとで責任が分散しがちな安全管理を、現場単位で束ね直す制度といえる。

なぜ元方に責任を集約するのか

通常の労働安全衛生では、各事業者が自社の労働者の安全に責任を負う。しかし建設現場では元請・下請の労働者が同一の場所で混在して作業するため、ある会社の作業が別会社の労働者を危険にさらす災害が起きる。上階の解体と下階の作業、重機の旋回範囲での別工種の作業などは、各社が自社内で完結する安全対策を尽くしても、会社間の調整がなければ防げない。そこで労働安全衛生法第30条は、混在作業から生じる労働災害を防ぐ必要な措置を、現場を統べる特定元方事業者に課した。これが統括安全衛生管理であり、自社労働者の安全管理という原則の上に、混在ゆえの危険についてだけ元方の調整責任を重ねる構造になっている。責任の所在が層ごとに分かれる重層下請構造のもとで、現場全体の安全だけは元方に束ねる発想である。

統括安全衛生責任者と具体的な措置

特定元方事業者(建設業・造船業)は、その現場の労働者数が政令で定める規模に達するとき、統括安全衛生責任者を選任しなければならない(労働安全衛生法第15条)。統括安全衛生責任者は元方安全衛生管理者を指揮し、現場全体の安全衛生を統括管理する。具体的に元方が講ずべき措置(同法第30条)は、協議組織を設けて元請・下請が定期に話し合うこと、作業間の連絡及び調整を行うこと、作業場所を巡視すること、関係請負人が行う安全衛生教育に対する指導及び援助を行うことなどである。下請側にも、統括安全衛生責任者と現場で連絡を取り合う安全衛生責任者の選任が求められ、上下の連絡経路が制度として組まれている。これらは混在作業の調整を具体的な行為として列挙したものであり、元方が現場の安全を一元管理する実体を支えている。

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