工種とは、土木・建築工事を構成する作業を、施工の対象や工法の種類に応じて区分した工事の種別をいう。
工事の予定価格をどう積み上げ、完成後の保証はどの単位で考えればよいのか。その共通の物差しとなるのが工種である。工種は、掘削・コンクリート・舗装・鉄筋・型枠といったように、工事を構成する作業を施工対象や工法ごとに区分したもので、積算・設計・契約・検査の各段階で工事を分解して扱うための基本単位となる。予定価格の積算では工種ごとに標準的な歩掛と単価を当てはめて工事費を積み上げ、設計図書や工事費内訳書も工種別に整理される。標準的な工法が確立した工種には歩掛が整備されているが、特殊な工種では実態に合う歩掛が乏しく、見積りや実態調査で単価を補うことになる。瑕疵担保や保証期間の標準も工種ごとに異なるため、契約担当者は対象工事がどの工種で構成されるかを把握し、積算根拠と契約条件を工種に即して確認する。
積算における工種の役割
工種は、公共工事の予定価格を積み上げる際の分解の単位である。発注機関は工事を直接工事費・共通仮設費・現場管理費等に区分したうえで、直接工事費を工種ごとに細分し、各工種に標準歩掛と公共工事設計労務単価・資材単価を当てはめて工事費を算出する。標準的な工法が確立している工種には国や自治体が歩掛を整備しており、これを用いれば客観的に積算できる。一方、施工実績の少ない特殊な工種や新工法には歩掛が用意されていないことがあり、その場合は見積りの徴取や施工実態の調査によって単価を設定する。工種の区分と単価の妥当性は予定価格の信頼性を直接左右するため、積算基準や歩掛の改定動向を踏まえて運用される。
契約・保証の単位としての工種
工種は積算だけでなく、設計図書や工事費内訳書の構成、施工管理、契約後の保証の単位としても機能する。設計図書や内訳書は工種別に整理され、設計変更や数量の増減も工種ごとに把握される。完成後の瑕疵担保責任・契約不適合責任の保証期間は、構造物や工種の性質によって標準が異なり、土木構造物と建築設備とでは期間の考え方が変わる。公共工事標準請負契約約款や個別の契約書は、こうした工種の違いを前提に保証期間を定める。したがって契約担当者や監督員は、対象工事を構成する工種を踏まえて積算根拠の妥当性を点検し、保証期間その他の契約条件が工種の特性に整合しているかを確認することになる。
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