ジチテン

多面的機能支払交付金

読み:ためんてききのうしはらいこうふきん

別名:多面的機能支払
意味

多面的機能支払交付金とは、農業・農村が持つ国土保全や水源涵養などの多面的機能の維持・発揮のため、農地・農業用水路・農道といった地域資源の保全活動を行う組織に交付する交付金である。農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律(平成26年法律第78号)に基づく。

農地や水路農道は個々の農家だけでなく地域全体で支えてきたが、農村の高齢化と混住化で、草刈りや泥上げといった共同作業の担い手が細っている。この地域共同の保全活動を支え、農村環境の荒廃を防ぐのが多面的機能支払交付金である。

交付金は農地維持支払と資源向上支払の二階建てで構成される。農地維持支払は、水路の泥上げや農道の補修といった基礎的な保全活動を支え、資源向上支払は施設の長寿命化や農村環境の保全(景観形成・生物多様性保全)といった一歩進んだ取組を支える。交付対象は農業者だけでなく自治会や非農家も含む活動組織で、地域ぐるみの取組を促す設計になっている。交付単価は農地の種類ごとに定められ、活動計画と実績の報告が要件となる。国・都道府県・市区町村が費用を負担し、市区町村は活動組織の認定、計画の確認、現地確認などの事務を担う。混住化した地域でも農地を地域資源として守る枠組みとして広く利用される。

二階建ての交付構造

多面的機能支払交付金は、農地維持支払と資源向上支払の二つの支払で構成される。農地維持支払は、農用地・水路・農道の草刈り、泥上げ、補修など、農村を維持する基礎的な共同活動への対価である。資源向上支払はさらに、水路のコンクリート化など施設の長寿命化や、景観作物の植栽・生きものの生息環境保全といった環境向上活動を支える。活動組織はどの活動を行うかを5年間の活動計画にまとめ、毎年度の実績を報告する。非農家や自治会を活動の担い手に取り込める点が、農業者の減少した地域でも保全を続ける鍵となる。

自治体の事務負担と広域化

交付には活動組織ごとの計画認定、毎年度の実績確認、現地確認、書類審査が伴い、組織数が多い市区町村では事務量が膨らむ。これを軽減するため、複数の活動組織を束ねる広域活動組織の設立や、市区町村に代わって事務を担う地域協議会の活用が進められている。広域化により事務の効率化と活動の継続性が高まる一方、組織が大きくなるほど集落ごとのきめ細かな合意形成は難しくなる。市区町村は事務の効率と現場の実情のバランスをとりながら制度を運用する。

つながりのある用語

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