水道料金とは、水道事業者(市区町村・広域水道企業団等)が水道の使用者から徴収する料金で、水道法第14条に基づき供給規程(条例または規程)に定めて認可・届出を要する料金のことである。水道事業の経営を賄う主要な財源として、使用水量に応じた従量制・メーター使用料(基本料金)の組み合わせで設定される。
水道は止まれば生活も経済も立ち行かないが、その維持には管路の更新や浄水の費用が絶えず必要で、料金でこれを賄えなければ事業そのものが続かない。水道料金は、水道事業者が使用者から徴収する料金であり、独立採算を原則とする水道事業の経営を支える主要な財源となる点に意義がある(水道法第14条)。
公営企業の会計原則に従い、料金収入で維持管理費・減価償却費・企業債の元利償還などを賄う独立採算が原則とされる。しかし人口減少や節水機器の普及による使用水量の減少と、老朽管路の更新費用の増大が重なり、大半の事業体が料金収入だけでは経営を維持できない状態に陥っている。料金改定には住民・議会の理解が必要で、条例改正により議会の議決を経る。
料金体系の設計
水道料金の典型的な体系は、口径に応じた定額の基本料金(φ13mm・φ20mmなどの口径別メーター使用料)と、使用水量に応じた従量料金(使用量が増えると単価が上がる逓増料金制が多い)の組み合わせである。逓増料金制は大量使用者に高い単価を設定することで節水インセンティブを与える設計だが、全量に同一単価を適用する均一料金への移行を検討する水道事業体も増えている。低所得者への福祉的配慮として高齢者・生活保護受給者への料金減免制度を設ける自治体もある。
老朽化と値上げの課題
全国の水道管路の約16%が法定耐用年数(40年)を超えており、老朽管路の更新に多額の費用が必要となっている(厚生労働省「水道統計」)。更新費用を料金で賄うためには大幅な値上げが必要だが、人口減少が進む地域では値上げによる住民負担増大と更なる節水・人口流出の懸念がある。水道事業の広域化・最適化(複数の水道事業体が施設を統合・共同で維持管理する仕組み)が料金高騰を抑制する手段として国が推進している。料金の値上げは住民の負担増に直結して反発を招きやすいが、必要な更新を先送りすれば漏水や断水のリスクが高まるため、将来の更新需要を見据えた計画的な料金水準の確保が水道事業の持続に欠かせない。
水道事業の広域化
水道法第2条の2・第15条の2等に基づき、都道府県が水道事業の広域化・最適化計画を策定することとされている(令和元年の水道法改正)。市区町村の水道事業を都道府県または広域の企業団に統合することで、施設管理・人材確保のスケールメリットを生かしながら料金水準を維持する取り組みが全国で進んでいる。水道事業の広域化・再編には市区町村の議会議決・地方公営企業法上の手続きが必要で、合意形成が長期化するケースも多い。
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