ジチテン

災害廃棄物処理計画

読み:さいがいはいきぶつしょりけいかく

意味

災害廃棄物処理計画とは、地震や水害などで一時に大量発生する災害廃棄物の処理を円滑に進めるため、市町村や都道府県があらかじめ処理体制・仮置場・処理フローを定めておく計画である。

大規模災害が起きると、平時の数年分にあたるがれきや家財が一度に出て、通常のごみ収集体制では到底さばけない。発生後にゼロから対応を考えていては復旧が滞るため、平時のうちに想定発生量や仮置場の候補地、分別区分、広域処理の応援ルートを決めておくのが災害廃棄物処理計画である。市町村地域防災計画一般廃棄物処理計画と整合させて策定し、都道府県は市町村を越える広域調整の枠組みを定める。実際の災害時には、この計画をもとに災害廃棄物処理実行計画を立てて動く。計画があっても仮置場の確保が現場で最大の難所になりやすく、候補地の地権者調整や周辺合意を平時に詰めておけたかどうかが、初動の速さを左右する。

平時の計画と発災後の実行計画

災害廃棄物への備えは、平時に作る災害廃棄物処理計画と、発災後に作る災害廃棄物処理実行計画の二段構えで動く。処理計画は、過去の災害の被害想定をもとに発生量を推計し、仮置場の候補地、分別と処理の方針、広域連携の枠組みといった「型」をあらかじめ用意しておくものである。これに対し実行計画は、実際の被害が判明したあとに、確定した発生量とがれきの種類に合わせて、仮置場の運用や撤去のスケジュール、処理先を具体的に組み立てる。平時の計画が精緻でも、発災直後は人手も情報も足りないため、実行計画づくりを支援する国の指針や、他自治体・専門業者からの応援を前提に組むのが現実的である。

仮置場の確保が初動の最大の難所

計画の実効性を最も左右するのが仮置場の確保である。災害廃棄物は被災者がいっせいに運び出すため、受け皿となる仮置場がなければ道路脇や空地に山積みされ、生活環境の悪化や火災の原因になる。仮置場には広い面積と搬入路、近隣との距離が要るため、平時に公有地を中心に候補地をリストアップし、地権者や周辺住民との調整の見通しを立てておく必要がある。発災後に慌てて場所を探すと、選定や合意に時間がかかり初動が遅れる。計画では候補地の優先順位と、混合状態で運び込まれた廃棄物をどう分別・保管するかの動線まで描いておくことが望ましい。

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)