ジチテン

教科書無償給与制度

読み:きょうかしょむしょうきゅうよせいど

別名:教科書無償
意味

教科書無償給与制度とは、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律等に基づき、国が義務教育の児童生徒に教科書を無償で給与する制度である。

義務教育は無償とする憲法の原則をどこまで具体化するかという問いに対し、授業料に加えて教科書も無償とすることで応えたのがこの制度である。教科書代が家庭の負担になれば、経済的事情で学習の土台を欠く子どもが出かねない。教科書無償給与制度は、国公私立を問わず義務教育段階の全児童生徒へ毎年度教科書を無償で配り、就学の機会均等を支える。

根拠は教科書無償措置法(昭和38年法律第182号)と教科書無償給与法(昭和37年法律第60号)で、国が費用を全額負担する。小学校・中学校・特別支援学校等の児童生徒が対象で、進級・進学時や転校時に給与される。給与される教科書は文部科学大臣の検定を経た検定教科書(特別支援学校等では文部科学省著作教科書等を含む)である。

市区町村教育委員会は、採択地区ごとに使用する教科書を採択し、需要数を取りまとめて供給に結びつける役割を担う。採択は4年ごとに行われ(小学校・中学校それぞれ)、教科書展示会の開催や採択結果の公表など、自治体の教育委員会の重要な実務となっている。

採択地区と共同採択

教科書の採択権限は、公立学校では市区町村の教育委員会にある。ただし市町村が単独でなく複数で構成する「採択地区」ごとに種目(教科)ごとの教科書を一本化して採択する共同採択の仕組みがとられ、地区内協議会で協議のうえ同一の教科書を選ぶ。これは教科書の安定供給と無償給与の事務効率のためで、教科書無償措置法が採択地区の設定を都道府県教育委員会に委ねている。採択替えは原則として小学校・中学校とも4年ごとに行われ、その間は同一の教科書を使い続ける。共同採択では地区内の意見集約が難しい場面もあり、各教育委員会の権限との調整が論点になることがある。

無償の範囲——教科書とそれ以外

無償給与の対象はあくまで検定済みの「教科書」であり、副教材・問題集・資料集・ノートなどの教材は対象外で、これらは保護者負担となる。無償の範囲を教科書に限るのは制度の建て付けであり、就学援助はこの教科書以外の学用品費等を経済的困窮世帯に対して補う役割を担う。両制度は守備範囲が異なり、教科書無償は所得を問わず全児童生徒に一律に給与されるのに対し、就学援助は困窮世帯に限った所得連動の支援である。給与された教科書は児童生徒個人に渡され返却を要しない点も、貸与にとどまる他の制度との違いである。

つながりのある用語

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