ジチテン

教育機会確保法

読み:きょういくきかいかくほほう

別名:義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律
意味

教育機会確保法とは、不登校の児童生徒や義務教育を修了していない者に対する、普通教育に相当する教育の機会の確保等を国と地方公共団体の責務として定める法律である。

学校に行かない・行けない子どもを「学校に戻すこと」だけを目標にすると、学校以外の場で学ぶ選択や、すでに学齢を過ぎた未修了者の学び直しが制度の視野から抜け落ちる。誰一人として教育の機会から取り残さないためには、学校復帰に限らない多様な学びを法律で位置づける必要がある。教育機会確保法は、不登校児童生徒への支援と義務教育未修了者への就学機会を国・自治体の責務とした法律である。

2016年(平成28年)成立。正式名称は長いが、柱は二つある。一つは不登校の児童生徒に対する支援で、学校復帰を唯一の目標とせず、休養の必要性を認め、学校外での多様な学びの場(教育支援センターフリースクール学びの多様化学校など)を確保することを掲げる。もう一つは、夜間中学等による義務教育未修了者・形式卒業者への就学機会の提供である。

この法律は、不登校を「問題行動」ではなく支援の対象として捉え直した点で、不登校支援の考え方を転換させたとされる。国は基本指針を定め、自治体は支援体制の整備や夜間中学の設置検討を担う。理念法的な性格が強く、具体の支援は予算事業や学校現場の運用に委ねられる部分が大きい点が特徴である。

「学校復帰前提」からの転換

この法律の意義は、不登校への向き合い方を転換させた点にある。従来の施策は学校への復帰を前提とし、不登校は解消すべき状態とされがちだった。確保法とそれを受けた国の基本指針は、不登校児童生徒に「休養が必要な場合がある」ことを認め、学校復帰のみを目標とせず、子どもの状況に応じた多様な学びの場での社会的自立を支援する方針を打ち出した。これにより、教育支援センターやフリースクール、学びの多様化学校での学びが、学校に戻るための一時的な手段ではなく、それ自体に価値ある選択として位置づけられた。

二つの柱——不登校支援と就学機会の確保

法律は内容の異なる二つの政策を一本に束ねている。第一は不登校児童生徒への支援(学校内外の環境整備、相談体制、情報提供)、第二は義務教育未修了者・形式卒業者への就学機会の確保(夜間中学の設置促進)である。前者は現に在学している子どもの学びの場の多様化、後者は学齢を過ぎた人を含む学び直しの機会づくりで、対象も手段も異なる。両者に共通するのは「年齢や状況にかかわらず普通教育の機会を確保する」という理念である。

つながりのある用語

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