ジチテン

洪水浸水想定区域

読み:こうずいしんすいそうていくいき

意味

洪水浸水想定区域とは、水防法に基づき国土交通大臣または都道府県知事が指定する区域で、想定し得る最大規模の降雨が発生した場合に河川が氾濫し浸水することが想定される区域とその浸水深を示したものである。

自分の住む土地が洪水でどこまで水に浸かるのかを知らなければ、住民は逃げる必要があるのかどうかすら判断できない。洪水浸水想定区域は、想定しうる最大規模の降雨で河川が氾濫した場合に浸水が見込まれる区域と、その深さを示したものである。見えない水害のリスクを地図の上に描き出し、避難や土地利用の判断材料を住民に与える点に意義がある。

水防法に基づき国土交通大臣または都道府県知事が指定する。2015年の水防法改正前は概ね100〜200年に一度の降雨を基準としていたが、改正で1000年に一度程度の想定最大規模へ引き上げられた。これにより区域は大きく広がり、これまでリスクがないと思われていた地域が含まれる例が増えた。

指定の対象河川と区域の種類

洪水予報河川(一級河川・国管理)・水位周知河川(都道府県管理)が指定対象であり、浸水深(水面から地盤面までの深さ)・浸水継続時間・家屋倒壊等氾濫想定区域(特に危険な区域)が示される。家屋倒壊等氾濫想定区域は「氾濫流による家屋倒壊危険区域」と「河岸侵食による家屋倒壊危険区域」に区分される。単に浸水するだけでなく、流れの勢いや川岸の削れによって家屋ごと押し流される危険のある区域を別に示すことで、垂直避難では命を守れない場所を住民に伝えている。

市区町村の義務と活用

洪水浸水想定区域を含む市区町村には、区域を地域防災計画に記載すること、洪水ハザードマップを作成して住民に配布すること、区域内の要配慮者施設の管理者に避難確保計画の作成を義務づけることが課せられる。ハザードマップは住民の避難行動や住宅の立地選択を考えるうえで重要な判断材料となる。区域の拡大によって新たに対象となった地域では、リスクの周知が行き届くかどうかが避難の実効性を左右するため、新たに区域へ入った住民への丁寧な説明が欠かせない。

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