降任とは、地方公務員法第17条に規定する任用の形態の一つであり、職員を現在より下位の職に任命することをいい、分限処分として行う場合と役職定年制による場合がある。
職員が現在の職を十分に務められない事情があるとき、組織を機能させるには下位の職へ移す対応が必要となるが、身分保障のある公務員に対して安易には行えない。降任は、職員を現在より下位の職に任命する任用の形態である。職にとどめておけない事態に、制裁とは別の形で対応する手段である点が眼目である。
多くは分限処分の一形態として、勤務実績の不良や職への適格性の欠如、職の廃止などを事由に行われる。非違行為への制裁である懲戒処分には降任は含まれず、悪いことをしたからといって降任することはできない。職員の意に反する不利益処分であるため、法定の事由の確認や本人からの意見聴取を経たうえで行う必要がある。
役職定年制(管理監督職勤務上限年齢)による降任
2023年(令和5年)施行の改正地方公務員法では、管理監督職にある職員が60歳(管理監督職勤務上限年齢)を超えた翌年度の4月1日に、当該管理監督職以外の職に降任するものとする「役職定年制」が導入された(同法第28条の2)。この場合の降任は分限処分ではなく法律の規定による当然の身分変動であり、任命権者の裁量判断を必要としない。給与は降任前の7割水準(条例による)に設定されることが多い。本人の意に反する分限処分としての降任と異なり、年齢を理由に一律に行われる点で性格が大きく異なる。
降格との区別
降任(職の下位への任命)と降格(職務の級の下位への変更)は別概念だが、実際には降任に伴い降格が生じることが多い。役職定年制による降任の場合、給与の7割水準への引下げは降格に相当する措置として給与規定上の特例が設けられている。辞令書では「降任」の文字を用い、新職名・適用される給料表の級・号俸を明示する。職そのものが下がる降任と給与上の級が下がる降格は別の概念だが、実務ではたいていセットで生じるため、辞令ではどちらの変動かを正確に書き分ける必要がある。
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