工場立地法とは、一定規模以上の工場の立地について、生産施設・緑地・環境施設の面積割合の基準を定め、周辺環境との調和を図る法律である(昭和34年法律第24号)。届出を受け付け基準への適合を確認する事務は、市区町村が担う。
工場が無秩序に敷地いっぱい操業すれば、緑地が失われ周辺の生活環境が損なわれる。これを防ぐため、大規模工場に敷地の一定割合を緑地・環境施設に充てるよう義務づけるのが工場立地法である。
対象は、敷地面積9,000平方メートル以上または建築面積3,000平方メートル以上の特定工場である。事業者は新設・変更にあたり、生産施設・緑地・環境施設の面積割合などを届け出る必要があり、緑地は敷地面積の20パーセント以上、環境施設は25パーセント以上を確保することが原則とされる。届出の受理と基準適合の確認は、かつて都道府県の事務だったが、地域の実情に応じた運用ができるよう市区町村に移譲された。市区町村は条例で緑地面積率などの基準を地域の実情に合わせて緩和・強化でき、企業誘致を進めたい地域では基準を緩める準則条例を定める例もある。企業立地と環境保全のバランスを地域が調整する手段として機能する。
緑地・環境施設の面積基準
工場立地法の中心は、特定工場に対する敷地利用の面積基準にある。生産施設の面積は敷地に対する割合の上限が業種ごとに定められ、緑地は敷地面積の20パーセント以上、緑地を含む環境施設は25パーセント以上を確保することが国の準則で原則とされている。これにより、工場が操業しながらも周辺環境との調和や災害時の延焼防止に資する緑地が保たれる。事業者は工場の新設や生産施設の変更の際にこれらの割合を届け出て、基準への適合を確認される。古くからの工場では基準制定前の既存不適格の扱いが論点となる。
市区町村への権限移譲と準則条例
工場立地法の届出受理・基準適合確認の事務は、地域主権改革の流れの中で市区町村に移譲された。あわせて、市区町村は条例(地域準則)で緑地面積率や環境施設面積率を国の基準と異なる水準に定められるようになった。企業誘致を重視する地域では、緑地の確保義務を緩めて工場の生産施設をより広く取れるようにする準則条例を設け、立地の魅力を高める。逆に環境保全を重んじる地域では基準を上乗せできる。これにより、全国一律だった工場立地のルールを、地域が企業立地と環境のバランスを見て調整できる仕組みとなっている。
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