環境保全協定とは、地方公共団体と事業者などとの間で、法令の規制を超える事項も含めて環境の保全に関する措置を取り決める協定をいう。公害防止に限らず、自然環境の保全や景観、地球温暖化対策まで対象を広げたものである。
工場の立地や大規模開発の際、自治体が法令の網だけでは足りない部分を事業者と取り決める手段が環境保全協定である。従来の公害防止協定が大気・水質などの公害防止を中心としていたのに対し、環境保全協定は緑地の保全、廃棄物の減量、温室効果ガスの削減、地域住民への情報公開といった幅を持たせて締結される。法令の排出基準より厳しい上乗せ値を約束させたり、操業状況の報告や立入りの受入れを定めたりすることで、地域の実情に応じたきめ細かな環境管理を実現する。協定の法的性格は、紳士協定型のものと、違反時の措置を定めた契約型のものに分かれ、実効性を確保するため後者を志向する例が増えている。住民、事業者、自治体の三者で締結する形態もみられる。
公害防止協定からの発展
環境保全協定は、高度経済成長期に公害対策として普及した公害防止協定を源流とする。当初は大気汚染や水質汚濁の防止が中心だったが、環境問題が地球温暖化や生物多様性、廃棄物へと広がるにつれ、協定の対象もこれらを包含するよう拡大した。法令で一律に規制しにくい地域固有の課題を、当事者間の合意で補う柔軟な手段として機能している。公害防止協定は法令の上乗せ・横出し的な役割を担い、立地企業に法より厳しい排出基準や測定・報告、立入調査の受け入れを約束させてきた。環境保全協定はその枠組みを引き継ぎつつ、緑地の保全や省エネルギー、住民への情報公開など対象を広げ、地域と事業者が継続的に環境配慮を確認し合う仕組みへと性格を変えてきた。
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