ジチテン

環境配慮契約法

読み:かんきょうはいりょけいやくほう

別名:国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律
意味

環境配慮契約法とは、国や自治体などが物品の購入や役務の調達を行う際に、価格だけでなく温室効果ガス等の排出削減への配慮を契約に織り込むことを求める法律である。

公的機関の調達は、長く価格の安さを基準に契約相手を選んできた。しかし、最も安い相手が最も環境負荷の少ない相手とは限らない。そこで、契約の段階から環境性能を評価に組み込み、温室効果ガスの排出が少ない選択を促すのが環境配慮契約法である。電力の購入、自動車の購入・リース、建築物の設計、省エネ改修などの分野ごとに、国が契約の方式や評価の方法を定めている。たとえば電力の調達では、価格だけでなく電源構成や再生可能エネルギーの比率などを点数化して評価する裾切り方式や総合評価が用いられる。国に義務、自治体には努力義務という建て付けが多いが、自治体が率先して環境配慮契約を取り入れることは、地域の脱炭素と市場への波及の両面で意味を持つ。グリーン購入法が「何を買うか」を扱うのに対し、こちらは「どう契約するか」を扱う点で対をなす。

グリーン購入法との役割分担

環境配慮契約法は、グリーン購入法と一対で公的機関の環境配慮調達を支える。グリーン購入法は、再生紙や省エネ家電のように環境負荷の少ない「物品・役務そのもの」を選んで買うことを求める、いわば「何を買うか」の法律である。これに対し環境配慮契約法は、電力の購入や建築物の設計のように、契約相手や契約方式の選び方によって環境性能を評価に取り込む、「どう契約するか」の法律である。たとえば同じ電力でも、どの事業者からどんな評価で買うかによって温室効果ガスの排出は変わる。この、物の選択だけでは捉えきれない契約段階の配慮を担うのが環境配慮契約法であり、両者は補い合って機能する。

分野別の契約方式

環境配慮契約法は、抽象的な理念だけでなく、分野ごとに具体的な契約の方式を国の基本方針で定めている。電力の供給を受ける契約では、価格に加えて電源の二酸化炭素排出係数や再生可能エネルギーの導入状況などを点数化し、一定の環境性能を満たさない事業者をあらかじめ除く裾切り方式や、価格と環境性能を総合的に評価する方式が用いられる。自動車の購入・賃借では低燃費・低排出の車種を、建築物では設計者を選ぶ段階で省エネ性能の提案を評価する方式が示されている。省エネ改修をまとめて発注するESCO事業のような契約形態も対象になる。自治体が導入する際は、これらの方式を地域の実情に合わせて取り入れ、価格競争に環境という軸を加えることで、調達を通じた脱炭素を進めることになる。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)