ジチテン

事務の委託

読み:じむのいたく

意味

事務の委託とは、地方自治法第252条の14に基づき、地方公共団体がその事務の一部の管理・執行を他の地方公共団体に委ねる広域連携の手法をいう。

小規模な自治体が単独では担いにくい事務を、どう近隣と分担するか。事務の委託は、規約を定めて議会の議決を経たうえで、ある事務の管理・執行そのものを相手方の地方公共団体に移す仕組みである。委託した側はその事務に関する権限を失い、委託を受けた側が自らの事務として処理し、その効果は委託した団体に帰属する。住民票の写しの交付や公平委員会の事務、競艇・競輪の施行など、専門性や規模の確保が課題となる事務で用いられてきた。新たな法人を設けず既存の組織に処理を任せるため、一部事務組合のような別組織の設立・運営コストを避けられる点が特徴である。委託の開始・変更・廃止はいずれも規約によるため、関係団体の合意と議決という手続を踏む。

一部事務組合・機関等の共同設置との使い分け

広域連携には複数の手法があり、事務の委託は権限ごと相手方へ移す点に特色がある。一部事務組合や広域連合は構成団体とは別の特別地方公共団体という新法人を設けて事務を処理するのに対し、事務の委託は既存の相手方団体の組織がそのまま処理を引き受けるため、組織新設の負担がない。機関等の共同設置は委員会や行政機関を複数団体で共同して置く手法で、機関は共有しつつ各団体の事務として残る点が、権限そのものを移す委託と異なる。連携協約が役割分担の基本方針を定める緩やかな枠組みであるのに対し、委託は個別事務の管理・執行を実際に移転させる踏み込んだ手法である。どの手法を選ぶかは、移す対象が権限か機関か方針か、別法人の必要があるかで判断される。

つながりのある用語

言い換え・代替

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