意味
一事不再議とは、地方議会の運営上の原則で、一度議決した事件は同一会期中に再び審議しないとするものである。
同一会期中に同じ事件を何度も議決すると、議事が非能率になるうえ、その都度異なる結論が生じて議会の意思としての権威が損なわれるため、これを避ける趣旨の原則である。日本国憲法・国会法・地方自治法のいずれにも明文の規定はないが、議事運営上の条理として基本的に承認され、各議会の会議規則の運用に反映されている。ただし絶対的な原則ではなく、事情の変化があれば再び取り上げることが許される(事情変更の原則)。
明文規定のない条理上の原則
一事不再議は、国会・地方議会を通じて広く採られている議事運営の原則だが、現行の日本国憲法・国会法・地方自治法には明文の定めがない。それでも、同一会期中に同じ事件を繰り返し議決することは議事の能率を著しく損ない、また採決のたびに異なる結論が出れば議会の意思がどれなのか定まらなくなる。こうした不都合を避けるための当然の条理として承認され、地方議会では会議規則の運用や議事の慣行のなかで機能している。会期が独立しているため、同一の事件でも会期が変われば改めて審議できる。
例外と事情変更の原則
一事不再議には重要な例外がある。地方自治法第176条・第177条に基づく長からの再議(いわゆる拒否権の行使に対する再審議)、委員会への再付託、同法第74条の直接請求に基づくものは、一事不再議の例外として同一会期中でも改めて審議の対象となる。さらに、議決の前提となった事情が変化した場合には同じ事件を再び取り上げることが認められており、これを事情変更の原則という。つまり一事不再議は議事の安定のための原則であって、状況の変化や法定の手続まで封じる絶対的なものではない。
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