保護命令とは、DV防止法に基づき、配偶者からの暴力の被害者の申立てを受けた裁判所が、加害者に対して接近の禁止や退去などを命じる決定である。
DV被害者が、加害者の接近そのものを法的に止めたいとき、どんな手段があるのか。それが保護命令である。配偶者や元配偶者などからの身体への暴力や生命・身体への脅迫を受けた被害者が地方裁判所に申し立て、裁判所が必要と認めると、加害者に対して被害者への接近禁止、被害者の住居からの退去、被害者の子や親族への接近禁止、電話やメールなどの禁止といった命令を出す。命令に違反した加害者には刑事罰が科される。配偶者暴力相談支援センターや警察への相談の有無などが申立ての要件・手続に関わり、被害者が単独で手続を進めるのは負担が大きいため、これらの機関が申立てを援助する。自治体の窓口では、保護命令という司法手続につなぐ前段の相談・保護を担う点を押さえておく必要がある。
命令の種類と効果
保護命令は、配偶者や生活の本拠を共にする交際相手などからの身体に対する暴力、または生命・身体への脅迫を受けた被害者が、地方裁判所に申し立てて出される決定である。内容は、一定期間被害者につきまとったり住居や勤務先の付近をうろついたりすることを禁じる接近禁止命令、被害者と共に住む住居からの退去命令、被害者の子や親族への接近禁止命令、電話・メール・SNS等による連絡の禁止などに及ぶ。命令に違反した加害者には刑事罰が科され、命令の実効性を担保する。制度改正により対象や命令の範囲は段階的に拡充されてきた。
申立てと支援機関の役割
保護命令の申立ては被害者本人が行うが、申立書には暴力や脅迫を受けた状況、配偶者暴力相談支援センターや警察に相談した事実などを記載する必要があり、これらの相談実績が手続上の前提となる場合がある。被害者が恐怖や生活の混乱のなかで単独で司法手続を進めるのは難しいため、配偶者暴力相談支援センターや警察、弁護士、法テラスが申立てを援助する。自治体の福祉・女性支援の窓口は、一時保護や生活再建の支援とあわせて、保護命令という法的手段の存在を被害者に伝え、申立てを担う機関へつなぐ役割を負う。
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