ジチテン

排水基準

読み:はいすいきじゅん

意味

排水基準とは、水質汚濁防止法に基づき、特定施設を設置する工場や事業場から公共用水域へ排出される水について、有害物質の濃度等の許容限度を定めた規制基準である。これに適合しない排水は罰則や改善命令の対象となる。

工場の排水を監視するとき、現場で問われるのは「この濃度は法令違反か」という一点である。排水基準は環境基準と異なり、超過すれば直罰の対象となる規制値であり、カドミウムや鉛などの有害物質と、BODやpHなどの生活環境項目について上限が定められている。国が全国一律の基準を定めるが、都道府県は条例で国の基準より厳しい上乗せ基準を設定できる。さらに人口や産業の集中で一律基準では環境基準を達成できない水域には、汚濁負荷の総量で規制する総量規制が重ねて適用される。自治体の担当者は特定事業場からの定期報告と立入検査の測定値を排水基準と照合し、超過があれば改善命令や告発につなげる。

上乗せ基準・横出し基準

都道府県は条例により、国の一律排水基準より厳しい濃度を定める上乗せ基準を設定できる。また国が規制していない項目を独自に追加する横出し規制も可能である。地域の水環境の実情に応じて規制を強化する仕組みであり、自治体ごとに適用される基準値が異なる。閉鎖性水域である湖沼や内湾では、流入する窒素・りんが富栄養化を招くため、これらの項目に上乗せ基準を課す例が代表的である。一律基準が適用されない小規模事業場を条例で規制対象に取り込むのも横出し規制の典型で、地域の汚濁源の実態に合わせて規制の網の細かさを調整する役割を担う。

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