ジチテン

総量規制

読み:そうりょうきせい

意味

総量規制とは、個々の排出源ごとの濃度規制では環境基準の達成が難しい地域について、一定地域から排出される汚染物質の総量に上限を定めて削減を図る大気・水質の規制方式である。

工場が集まり、一つひとつの排出は基準内でも全体として環境基準を達成できない地域で用いられるのが総量規制である。濃度規制は排出口ごとの濃度に上限をかける方式だが、施設の数が多いと、それぞれが基準を守っても地域全体の汚染量が下がらない。そこで、地域全体で許容される汚染物質の総量を決め、それを各事業所に割り当てて削減を促すのが総量規制の考え方である。大気では硫黄酸化物や窒素酸化物、水質では化学的酸素要求量(COD)や窒素・りんが対象となり、特定の大都市圏や閉鎖性水域に適用される。事業者は割り当てられた総量の枠内に排出を収める計画を立て、行政の指導を受ける。濃度規制と組み合わせて運用される点に特徴がある。

濃度規制との違い

大気・水質の規制には、濃度規制と総量規制の二つの考え方がある。濃度規制は、個々の排出口から出るガスや排水に含まれる汚染物質の「濃度」に上限を設ける方式で、施設ごとに守るべき基準が決まる。これに対し総量規制は、地域から出る汚染物質の「総量」を抑える方式で、地域全体の許容量を事業所に配分する。問題は、濃度規制だけでは、基準内の排出源が多数集まると地域の汚染総量が下がらない点にある。事業所が密集する地域では、濃度規制を満たしていても環境基準が達成できないため、総量規制を上乗せして地域全体の負荷を管理する。

適用される地域と対象物質

総量規制は、汚染が著しく濃度規制だけでは環境基準の達成が難しいと判断された地域に限って適用される。大気では、大都市圏を対象に硫黄酸化物や窒素酸化物の総量削減計画が定められてきた。水質では、東京湾・伊勢湾・瀬戸内海といった閉鎖性海域を対象に、化学的酸素要求量(COD)や窒素・りんの総量を削減する水質総量規制が実施されている。対象地域の事業者は、業種・規模に応じて算定された排出枠を守るよう求められ、行政は削減計画の達成状況を監視する。地域ぐるみで負荷を下げる仕組みであるため、効果が表れるには関係事業者の継続的な協力が要る。

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