減歩とは、土地区画整理事業において、公共用地の確保や事業費の捻出のため、地権者が従前地より小さい面積の換地を受けることをいう。地権者が土地の一部を提供し、その負担を地区全体で分かち合う仕組みである。
道路や公園を生み出し、事業の費用もまかなうには元手となる土地が要る。減歩は、土地区画整理で地権者一人ひとりが土地の一部を出し合い、その合計で公共施設用地と事業費を捻出する負担の仕組みで、区画整理が「金を集めず土地を集める」事業と呼ばれる理由である。
減歩には二つの性格がある。道路・公園などの公共施設用地を生み出すための「公共減歩」と、その一部を売却して事業費に充てるための「保留地減歩」である。地権者は面積を減らされるが、整備によって一筆あたりの土地の利用価値(地価)が上がるため、面積減と価値増が見合うように換地を設計する。
減歩率は地区の状況によって異なり、負担の公平が地権者の合意の鍵となる。整備の利益が減歩の負担を上回ると見込めるかが、事業への賛同を左右する。窓口では、面積が減ることへの不安に対し、利用増進による価値の回復をあわせて説明する役割を担う。
公共減歩と保留地減歩
減歩は目的によって二つに分かれる。公共減歩は、区画整理で新設・拡幅する道路、公園、広場などの公共施設の用地を地権者から少しずつ提供してもらう分である。保留地減歩は、施行者が事業費に充てるために売却する「保留地」を生み出す分である。地権者の換地面積は、この二つの減歩の合計だけ従前地より小さくなり、合計の減歩率がその地区の地権者負担の大きさを表す。公共減歩は地区全体の環境改善という形で地権者に還元されるのに対し、保留地減歩は売却収入として事業の資金に充てられる点で性格が異なり、保留地の処分価格が予定どおりに立つかが事業収支を左右する。
面積は減るが価値で報われる設計
減歩で面積が縮小しても、区画整理によって道路付けや形状が改善され、宅地としての利用価値が高まる。換地設計はこの「利用増進」を見込み、減歩後の換地の価値が従前地の価値を下回らないよう照応させるのが原則である。価値の増減を金銭で調整するのが清算金で、価値に見合う面積より過小な土地を受けた者には交付金が、過大な者には徴収金が生じる。減歩の説明では、面積の損失だけでなく、整備後の地価上昇による価値の回復を一体で示すことが合意形成の要点となる。
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)