ジチテン

不均一課税

読み:ふきんいつかぜい

意味

不均一課税とは、地方税法第6条第2項に基づき、地方公共団体が公益その他の事由があると認める場合に、条例を定めて同一の税目について区域や対象を区分し、一部に他と異なる税率を適用することをいう。

同じ市の中で、ある地区や特定の事業者だけ税率を下げることはできるのか。地方税は区域内で一律の税率によるのが原則だが、地方税法第6条第2項は、公益その他の事由がある場合に、団体が条例で同一税目に異なる税率を設けることを認めている。これが不均一課税である。税そのものをかけない課税免除と異なり、課税はしたうえで税率に差を設ける点が特徴で、企業立地を促すために進出企業の固定資産税率を一定期間だけ軽くする、合併前の旧市町村の区域ごとに当面の税率差を残すといった場面で用いられる。標準税率を超える税率をかける超過課税が税負担を重くする方向の措置であるのに対し、不均一課税は対象を区切って軽くする方向にも重くする方向にも使える点で性格が異なる。税率の差は課税の公平にかかわるため、区分の基準と適用期間を条例で明確に定めることが欠かせない。

標準税率・超過課税・不均一課税の関係

税率をめぐる制度は、どの方向に動かすかで整理すると見分けやすい。標準税率は地方税法が通常よるべきものとして示す税率で、団体は財政事情などがなければこの税率による。超過課税は標準税率を超えて課税する措置で、税負担を重くする方向に働き、制限税率の範囲内でしか引き上げられない。これらが区域内で一律の税率を前提とするのに対し、不均一課税は地方税法第6条第2項を根拠に、同一税目の中で区域や対象を区分して税率に差を設ける措置で、特定の対象だけ軽くすることも重くすることもできる。企業立地促進のための税率軽減はこのうち軽減方向の典型である。税率の引き下げ・引き上げという「強さ」の軸(標準税率・超過課税)と、対象による「差」の軸(不均一課税)を分けて捉えると、条文の役割を取り違えにくい。

市町村合併に伴う不均一課税

不均一課税が実務で目立つ場面の一つが市町村合併である。合併すると複数の旧市町村が一つの団体になるが、合併前の税率が異なっていた場合、合併直後から全区域を一律の税率にそろえると、一部の住民の負担が急に増えることがある。そこで、激変を避けるため一定期間に限り旧市町村の区域ごとに異なる税率を残す調整が行われ、その法的根拠が不均一課税である。合併特例に関する法令が経過的な不均一課税を認めており、年度を追って税率の差を縮め、最終的に全区域同一の税率へ移行する設計がとられる。条例では対象区域・税目・適用期間と、各年度の税率を具体的に定める。

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