第一種市街地再開発事業とは、都市再開発法に基づく市街地再開発事業のうち、従前の土地・建物に関する権利を再開発ビルの床に関する権利へ等価で移し替える権利変換方式によって施行する事業である。
再開発で自分の土地・建物を手放さずに新しいビルの床へ移りたい権利者にとって、どの方式が前提になるのか。それが第一種市街地再開発事業である。この方式では施行者が土地を買収せず、権利変換計画に従って従前資産の評価額に見合う再開発ビルの床(権利床)を権利者へ与える。事業費は、権利者に配分した後に残る床(保留床)を売却・賃貸して回収する仕組みで、保留床の処分価格の見通しが事業の成否を左右する。施行者は個人・市街地再開発組合・再開発会社・地方公共団体・都市再生機構等で、組合施行では権利者の3分の2以上の同意などの要件が課される。権利者は権利床への変換を選ぶほか、転出を希望すれば従前資産を金銭で清算して区域外へ移ることもでき、この選択を権利変換計画にまとめる。第二種が用地買収・収用を背景とするのに対し、第一種は権利者の同意を基礎に進む点が実務上の分かれ目となる。
権利変換の流れ
第一種市街地再開発事業の核心は権利変換である。施行者は事業認可後、区域内の土地・建物・借地権・借家権などの権利を調査し、従前資産の評価を行う。権利者は、評価額に見合う再開発ビルの床(権利床)への変換を受けるか、金銭での清算を受けて転出するかを申し出る。施行者はこれらをまとめた権利変換計画を作成し、都道府県知事等の認可を受ける。権利変換期日に、従前の権利は計画に従って一斉に新しい床に関する権利へ移行し、登記もこれに合わせて処理される。床の配分後に残る保留床は施行者が処分し、その収入と補助金で事業費をまかなう。評価の公平性と保留床の処分見通しが、合意形成と資金計画の両面で実務の焦点になる。
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