ジチテン

中小企業振興基本条例

読み:ちゅうしょうきぎょうしんこうきほんじょうれい

別名:中小企業振興条例
意味

中小企業振興基本条例とは、地方公共団体が地域の中小企業振興を自らの責務と位置づけ、施策の理念と関係者の役割を定める基本条例である。

中小企業支援を補助金の積み上げで終わらせず、自治体の政策の柱として位置づけ直す動きの中で広がったのが中小企業振興基本条例である。国の中小企業基本法を地域で具体化するもので、中小企業を地域経済の主役と明記し、自治体・事業者・支援機関・住民それぞれの役割と、施策を進める基本理念を定める。多くは具体的な補助制度を直接定めるのではなく、中小企業の意見を施策に反映する仕組みや、毎年度の施策の検証を求める「理念条例」の性格を持つ。墨田区や帯広市の条例が先駆けとして知られ、その後全国へ波及した。条例制定を契機に、中小企業の現場を回る悉皆調査や、産学官金が集う振興会議を設ける自治体も多い。

理念条例としての性格

中小企業振興基本条例の多くは、具体的な補助金や減税を直接規定するのではなく、中小企業振興に関する自治体の基本姿勢と関係者の役割を示す「理念条例」である。条例には、中小企業を地域経済・雇用・暮らしを支える存在として尊重すること、自治体が振興を責務として継続的に取り組むこと、事業者自身も経営革新に努めること、金融機関や大企業・住民も連携することといった理念が盛り込まれる。具体的施策は条例を受けた計画や予算で展開する設計になっており、条例はその上位の枠組みとして機能する。理念条例ゆえに実効性が乏しいとの批判もあるが、施策の継続性を担保し、首長や担当者が交代しても振興の軸がぶれない効果がある。

制定後の実効化の仕組み

条例を絵に描いた餅にしないため、自治体は条例に実効化の仕組みを組み込むことが多い。代表的なのが、中小企業の経営者・支援機関・学識者などで構成する中小企業振興会議(円卓会議)の設置で、ここで施策の方向や検証を継続的に議論する。あわせて、地域の事業所を一軒ずつ訪ねる悉皆調査(全数調査)を行い、現場の実態を施策に反映する自治体もある。条例に毎年度の施策の報告・公表を義務づけ、進捗を住民に示す例もある。これらは、補助金の交付で完結しがちだった従来の支援を、現場の声に基づいて継続的に見直す仕組みへ転換する狙いを持つ。

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