ジチテン

着地型観光

読み:ちゃくちがたかんこう

意味

着地型観光とは、観光客を受け入れる地域(着地)側が、地元の資源を生かした旅行商品や体験プログラムを企画・提供する観光の形態をいう。

従来の観光は、都市部の大手旅行会社が旅行商品を造り、観光客を送り出す発地型が中心だった。これに対し、観光客を受け入れる地域の側が主体となって、その土地ならではの体験や着地後の小さなツアーを企画・提供するのが着地型観光である。農業体験、漁業体験、町歩きガイド、郷土料理づくりといった、大手では商品化しにくい地域固有の資源を生かせる点が強みで、観光消費を地域内に取り込みやすい。担い手は、地域のDMO観光協会まちづくり会社、地元の事業者などである。地域が自ら企画・販売・案内まで担うため、企画力・予約システム・ガイド人材の確保が課題となる。インバウンドや関係人口づくりの文脈でも、地域の主体的な観光づくりとして重視されている。

発地型観光との違い

着地型観光は、発地型観光と対比される概念である。発地型観光は、旅行者が出発する都市(発地)側の大手旅行会社が、宿泊・交通・観光地をパッケージにした旅行商品を造成し、観光客を各地へ送り出す従来型の観光である。商品の企画・販売の主導権は発地側にあり、地域は送り込まれる観光客を受け入れる立場になりやすい。これに対し着地型観光は、観光客を迎える地域(着地)側が主体となって、その地域ならではの体験プログラムや小規模なツアーを自ら企画・提供する。地域が観光の主導権を握り、地元の資源を生かし、観光消費を地域内に落とせる点が特徴である。両者は対立するものではなく、発地の集客力と着地の企画力を組み合わせて活用するのが現実的である。

担い手と実務上の課題

着地型観光を成り立たせるには、地域側に企画・販売・案内の機能が要る。担い手としては、観光地域づくり法人(DMO)、観光協会、まちづくり会社、地域の事業者や住民グループなどが挙げられる。これらが、農林漁業体験・町歩き・食・自然・歴史といった地域資源を磨き、体験プログラムや小さなツアーに仕立てる。実務上の課題は多い。第一に、魅力ある体験を商品として設計する企画力、第二に、予約・決済を担うシステムや旅行業の登録(有償で旅行商品を販売するには地域限定旅行業などの登録が要る場合がある)、第三に、案内を担うガイド人材の確保と育成である。これらが整わないと、よい資源があっても商品として売れない。地域の主体形成と人材育成が、着地型観光の持続を左右する。

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