ジチテン

空き地対策

読み:あきちたいさく

意味

空き地対策とは、管理が不十分な空き地(雑草繁茂・不法投棄・外来種植物の侵入等)による近隣への悪影響を防止・解消するために、市区町村が土地所有者に対して適正管理を求め、必要に応じて代執行(行政代執行)または費用徴収(強制徴収)を行う一連の施策のことである。令和5年(2023年)の空家等対策の推進に関する特別措置法改正で「管理不全空き地」が新たに施策対象に追加された。

管理されない空き地は雑草の繁茂、ゴミの不法投棄、害虫の発生などで近隣の生活環境を損なうが、土地は私有財産であるため行政が勝手に手を入れることはできない。空き地対策は、市区町村が所有者に適正管理を求め、必要に応じて代執行や費用徴収を行う一連の施策であり、私有地への介入の限界のなかで管理不全による周辺被害を防ぐ点が眼目である。

従来は「空地管理条例」「雑草防除条例」などの自主条例に基づき、所有者への指導・勧告・命令・行政代執行を行う自治体が多かった。令和5年(2023年)の空家特措法改正では、雑草の繁茂や土砂崩壊のおそれなどで周辺に悪影響を与える「管理不全空き地」の所有者への指導・勧告を市区町村が行える規定が盛り込まれた。

空地管理条例による対応

空き地対策の法的根拠は自治体によって異なるが、独自の「空地管理条例」を持つ自治体では、雑草の刈り取りなど適正管理の所有者への義務付け、管理されていない場合の指導・勧告・命令、従わない場合の行政代執行(または費用代替執行)、代執行費用の所有者からの徴収(強制徴収)というプロセスで対応する。地方自治法第2条第3項・第14条に基づく自主条例として制定され、市区町村が独自に設計した基準・手続きで運用する。

所有者不明土地との関係

空き地の中には所有者が不明な(登記簿の所有者が死亡・転出等で連絡が取れない)ケースが多く含まれる。所有者を特定できない場合は行政代執行の相手方が定まらず、費用の請求先が見つからないという問題が生じる。令和4年の民法改正で設けられた「所有者不明土地・建物管理制度」(家庭裁判所による管理人選任)を活用して問題土地の管理人を選任し、対応を求める手段も取り得る。空き地の所有者不明問題の根本解決には相続登記の義務化(令和6年施行)が長期的に寄与すると見込まれる。

市区町村の対応窓口と庁内連携

空き地の苦情は市民から「環境」「土木」「建築」等の複数の担当課に持ち込まれるため、相談窓口の一本化(空き家・空き地専門の相談窓口や担当係)が重要となる。空き家特措法の担当部署(建築・まちづくり担当)・法務担当・農地担当(農地の耕作放棄問題)・法務局との連携が空き地対策の実効性を左右する。住民からの通報を受付・記録するシステム(GIS連動型の通報管理ツール等)を整備することで、対応の迅速化と記録管理が改善される。

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