ユニットケアとは、特別養護老人ホーム等で入居者を10人程度の生活単位(ユニット)に分け、個室と共同生活室を組み合わせて少人数を固定の職員が担当する介護方式をいう。
大部屋に多数の高齢者を収容し、流れ作業のように介護する施設像をどう変えるか。その問いへの一つの答えが、家庭に近い小集団で暮らしを支えるユニットケアである。
ユニットケアは、入居者を10人前後のユニットに分け、各人に個室を確保しつつ、食堂・リビングを兼ねた共同生活室を中心に生活を組み立てる。担当職員を固定することで一人ひとりの生活習慣やペースに沿ったケアを目指し、起床・食事・入浴の時間を施設の都合で一律に決めない個別ケアを志向する。こうした個室・ユニット型の施設は新型特養と呼ばれ、従来型の多床室中心の施設と区別される。一方で個室を備えるため居住費(室料)の負担が従来型より重くなりやすく、低所得者には補足給付で軽減が図られる。施設整備や報酬の設計に直結するため、自治体の高齢者福祉計画でも整備類型として扱われる。
個別ケアという思想の転換
ユニットケアの核心は、施設の効率を優先した集団処遇から、入居者一人ひとりの暮らしを起点とする個別ケアへの転換にある。なじみの空間と顔ぶれのなかで、本人がそれまで送ってきた生活リズムを尊重することが、認知症の人の混乱や不安を和らげ、尊厳ある暮らしを支えるという考え方に立つ。これは単なる建物の構造(個室化)ではなく、固定担当制や生活単位での運営といったケアの組み立て方そのものを指す概念であり、ハード(個室・ユニット)とソフト(個別ケアの実践)の両輪で成立する。
居住費負担と低所得者対策
個室・ユニット型は、入居者が室料に相当する居住費を負担する設計のため、相部屋(多床室)が中心の従来型より自己負担が重くなりやすい。これが低所得高齢者の入居を妨げないよう、住民税非課税世帯などには食費・居住費を軽減する補足給付(特定入所者介護サービス費)が用意されている。施設整備を進める自治体にとっては、ユニット型を推進しつつ低所得層の入居機会をどう確保するかが、高齢者福祉計画上の調整課題となる。整備費に対する補助や報酬上の評価も従来型と区別され、どの類型をどれだけ整備するかが地域の施設計画を左右する。
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