特定生産緑地とは、生産緑地法に基づき、指定から30年を迎える生産緑地を市町村長が所有者の同意を得て指定し、買取り申出ができる時期を10年延期する制度である。指定すると税の優遇が継続し、10年ごとに更新できる。
生産緑地は指定から30年で買取り申出が可能となり、その時点で税優遇が外れて宅地化が進むおそれがある。特定生産緑地は、1992年指定分が一斉に期限を迎える2022年問題に備え、農地として残したい所有者が優遇を保ったまま営農を続けられるようにするための延長措置である。
指定を受けると、買取り申出ができる起算日が10年先送りされ、固定資産税の農地評価と相続税の納税猶予がそのまま継続する。逆に指定しないまま30年を過ぎると、買取り申出が可能になると同時に固定資産税が宅地並み課税へ段階的に移行し、新たな相続税の納税猶予は受けられなくなる。
指定は30年経過前に行う必要があり、期限を過ぎてからは指定できない。このため各市町村は対象農家へ意向確認を重ね、期限前の指定手続を促してきた。指定後は10年ごとに更新でき、所有者は更新の都度、営農継続か宅地化かを選び直すことになる。
30年経過「前」に指定しないと選べなくなる
特定生産緑地の指定は、もとの生産緑地の指定告示日から30年を経過する日までに行わなければならない。いったん30年を過ぎてしまうと特定生産緑地の指定はできず、その農地は買取り申出が可能な状態に固定される。固定資産税は経過措置を経て宅地並み課税へ移り、相続が起きても新規の納税猶予は適用されない。タイミングを逃すと優遇継続の選択肢自体が消えるため、市町村は対象者への周知と意向確認を期限前に終える必要がある。
10年ごとの更新と営農継続の判断
特定生産緑地の指定の期限は10年で、期限が来るたびに所有者等の同意を得て10年単位で繰り返し延長できる。生産緑地が一度きり30年で大きな分岐を迎えるのに対し、特定生産緑地は10年という短い周期で営農継続か宅地化かを選び直せる。指定が続く間は固定資産税の農地課税と相続税の納税猶予が維持され、後継者が農業を継ぐ見込みが立たない世代交代期にも、すぐ宅地化へ追い込まれずに判断を先送りできる柔軟さがある。一方で延長手続を失念すると期限到来とともに優遇が切れ、買取り申出が可能な状態へ移ってしまうため、市町村による期限前の更新案内が実務上の要となる。
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