再就職規制とは、職員が退職後に営利企業等へ再就職することに関し、現職職員への働きかけなどを制限する仕組みである。いわゆる天下りによる行政の公正性への疑念を防ぐために設けられている。
退職した元職員が古巣に影響力を及ぼし、行政の公正をゆがめることを防ぐための規律である。退職者が在職時の人脈や権限を背景に、再就職先のために現職職員へ働きかければ、契約・許認可などが歪められかねない。地方公務員法は退職管理の規定を設け、再就職した元職員が、現職職員に対し職務上の行為をするよう求めるなどの働きかけを禁止し、違反には罰則を定める。あわせて、再就職した元職員の情報を任命権者へ届け出させる仕組みを置く団体もある。国家公務員のような事前の再就職あっせん規制ほど厳格ではないが、退職後の行動を規律する点に主眼がある。
在職中の規制ではなく退職後の働きかけ規制
再就職規制(退職管理)の特徴は、規律の対象が「現職職員の在職中の行為」ではなく「退職して再就職した元職員の働きかけ」にある点である。たとえば、再就職した元職員が、契約や処分に関して現職職員に有利な取扱いを依頼する、といった働きかけが禁止される。現職職員の側にも、そうした働きかけを受けたことを届け出る義務を課す団体がある。これは、退職後も残る人的つながりが行政判断を歪めるルートを断つことを狙ったものである。
国の規制との違いと自治体の運用
国家公務員には、在職中の利害関係企業への求職活動の規制や、組織的な再就職あっせんの禁止など、再就職そのものを事前に縛る厳しい規制がある。これに対し地方公務員法の退職管理は、再就職自体を広く禁止するのではなく、再就職後の働きかけを規制し情報を把握することに重点を置く。各団体は、これに上乗せして独自の要綱で再就職状況の公表や一定の自粛を求めることがある。天下り批判への対応として、退職管理の透明化は自治体ごとに濃淡があり、運用の差が大きい分野である。
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