最高情報統括責任者とは、組織の情報化やデジタル化に関する施策を全体として統括する責任者をいう。一般にCIOと呼ばれ、自治体では情報システムの最適化やデジタル化の推進を、組織全体の立場から指揮する役割を担う。
各課がそれぞれの判断でシステムを導入していけば、仕様も費用もばらばらになり、組織全体での無駄や不整合を招く。最高情報統括責任者は、こうした縦割りを越えて、情報化の方針を一元的に束ねる役割として置かれる。
自治体では、情報システムの調達やデジタル化の取組みが各部門に分かれて進みがちで、全体としての最適化が効きにくい。最高情報統括責任者は、組織全体の情報化の方針を定め、システムの標準化やデジタル化の推進を統括する。副市長や副町村長がこの役を兼ねる団体が多く、その下に、専門的な知見を持つ外部人材を最高情報統括責任者補佐官として置く例も増えている。デジタル化を全庁で進めるうえで、技術と組織運営の両方を見渡し、部門間の調整を担う司令塔として、その役割が重みを増している。
兼務の責任者と外部補佐官
自治体の最高情報統括責任者をめぐる特徴は、その多くが副市長などの幹部による兼務だという点にある。情報化の方針を全庁に及ぼすには、組織を動かせる立場の幹部が担うのが理にかなう一方、兼務であるがゆえに、情報技術そのものに精通しているとは限らず、また他の重い職務と兼ねるために十分な時間を割きにくいという限界もある。この弱点を補うために置かれるのが、外部の専門人材を起用する補佐官である。民間で情報システムやデジタル化に携わってきた人材を補佐官に迎え、専門的な助言や、調達の目利き、技術的な判断を委ねる。組織を動かす権限を持つ兼務の責任者と、専門知識を持つ外部の補佐官とを組み合わせることで、権限と専門性の両方を確保しようとする工夫である。
政府の体制との違い
情報化を統括する責任者は国にも置かれており、その位置づけは自治体とは異なる。国では、デジタル庁の設置などによって、政府全体の情報システムやデジタル政策を統括する体制が整えられてきた。これに対し自治体の最高情報統括責任者は、あくまでその団体の組織のなかで情報化を束ねる役割であり、法律で必ず置くことが義務づけられた職ではなく、各団体が組織の判断で設けるものである。国が制度や標準を定め、自治体がそれを踏まえて自らの情報化を進めるという関係のなかで、自治体の責任者は、国の方針と地域の実情とをつなぎ、限られた人材と予算のなかで全庁のデジタル化を前に進める役割を担う。
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