ジチテン

債権の免除

読み:さいけんのめんじょ

意味

債権の免除とは、地方公共団体が有する債権について、債務者の支払義務を免じて消滅させることをいう。私法上の債権では、地方自治法施行令第171条の7に基づき、一定の要件のもとで議会の議決を経ずに行われる。

回収できない債権をいつまでも帳簿に残しておくと、実態のない数字が積み上がり、財政の姿が見えなくなる。とはいえ、まじめに納めた住民との公平から、支払を免じることには慎重な手続が要る。

債権の免除は、地方公共団体が有する債権について、債務者の支払義務を免じて消滅させる行為である。私法上の債権(貸付金や私法上の使用料など)については、地方自治法施行令第171条の7が、履行延期の特約等をした債権で、当初の履行期限から10年を経過してもなお債務者が無資力等にあって弁済の見込みがないときに、長が議会の議決を経ずに免除できると定める。議会の議決による債権放棄とは、根拠も手続も異なる。

「免除」と「放棄」はどう違うか——根拠条文と手続

回収困難な債権を整理する手立てには、債権の免除と債権放棄があり、混同されやすい。債権の免除は、地方自治法施行令第171条の7に基づき、長の権限で行う。対象は、履行延期の特約等をした私法上の債権で、当初の履行期限から10年を経過しても債務者が無資力等にあり弁済の見込みがない、という要件を満たす場合に限られ、議会の議決を要しない。これに対し債権放棄は、地方自治法第96条第1項第10号により、議会の議決を経て権利を放棄するもので、要件は条例や個別の議決にゆだねられる。同じ「債権を消す」結果でも、誰の判断で、どの要件のもとに行うかが異なる。

安易な免除を防ぐ歯止め

債権の免除は、裏を返せば、本来支払うべき者の義務を行政の側から消すことであり、まじめに納めた住民との公平を損なう恐れがある。施行令が、履行延期の特約を前提に、10年という期間の経過と、無資力かつ弁済の見込みがないことを要件として課しているのは、安易な免除に歯止めをかけるためである。実務では、その前段として、徴収停止(施行令第171条の5)や履行延期の特約(同令第171条の6)といった段階的な手続を経ることが想定されている。免除の判断には、債務者の資力の調査と、その記録の保存が欠かせない。

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