ジチテン

流通業務地区

読み:りゅうつうぎょうむちく

意味

流通業務地区とは、都市内の流通機能の向上と道路交通の円滑化を図るため、トラックターミナルや倉庫などの流通業務施設を集約して立地させる地域地区である(流通業務市街地の整備に関する法律第4条、都市計画法第8条)。

大都市では、卸売市場やトラックターミナル、倉庫が市街地に散らばると、貨物輸送のトラックが各所に分散して交通混雑や環境悪化を招く。流通業務地区は、こうした流通業務施設を都市の外縁部などに計画的に集約し、流通の効率と交通の円滑化を同時に図るために定める地域地区である。地区内では流通業務施設以外の建築物の新増築が原則として制限され、流通機能に純化した土地利用が確保される。流通業務市街地整備法に基づいて整備事業とあわせて指定されることが多く、高速道路インターチェンジへのアクセスを重視して立地が選ばれる。物流効率化が政策課題となる中で、その再編・更新が論点になっている。

流通施設に純化させる用途制限

流通業務地区の核心は、地区内の土地利用を流通業務施設に純化させる用途制限にある。地区内では、トラックターミナル、卸売市場、倉庫、上屋、荷さばき施設、これらに附帯する事務所など、法が定める流通業務施設以外の建築物の新築・増築が原則として禁止される。これにより、流通機能とは無関係な住宅や商業施設の混入を防ぎ、貨物輸送に特化した効率的な区域を保つ。一般の用途地域が住宅・商業・工業など複数の用途の共存を前提に規制するのに対し、流通業務地区は特定の機能への集約・純化を目的とする点で性格が異なる。

整備事業と立地選定

流通業務地区は、流通業務市街地の整備に関する法律に基づき、流通業務団地の造成などの整備事業とあわせて計画されることが多い。集約の効果を高めるには、地区が幹線道路網や高速道路のインターチェンジ、鉄道貨物駅などの広域交通基盤に近接していることが重要で、立地選定はこのアクセス条件を軸に行われる。近年は、物流のeコマース化や即日配送の進展で物流施設の需要が高まる一方、既存の流通業務地区の老朽化や立地の陳腐化も進んでおり、地区の再編や規制の見直しが課題となっている。

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