卸売市場とは、生鮮食料品等の卸売のために開設される市場で、卸売業者・仲卸業者・売買参加者が集まり、競りや相対取引で価格を決めて流通させる施設である。卸売市場法に基づき、地方公共団体も開設者となる。
野菜・魚・花などの生鮮品は、産地が分散し品質も日々変わるため、売り手と買い手が個別に取引すると価格も供給も不安定になる。多数の出荷者と買い手を一カ所に集め、公正な価格形成と安定供給を担うのが卸売市場である。
卸売市場には、都道府県や人口20万以上の市などが国の認定を受けて開設する中央卸売市場と、それ以外の地方卸売市場がある。市場では、産地から集めた荷を卸売業者が競りや相対取引で値付けし、仲卸業者や売買参加者が買い受けて小売店や飲食店へ卸す。価格形成の透明性、代金決済の確実性、品揃えの集約といった機能が、生鮮流通の基盤を支えてきた。平成30年の卸売市場法改正で、第三者販売や直荷引きの原則禁止などの規制が大幅に緩和され、市場ごとに取引ルールを定められるようになった。産地直送やネット流通の拡大で市場経由率は低下傾向にあり、地方公共団体が開設する公設市場では、施設の老朽化と取扱量の減少を背景に、再編や民営化、機能転換が課題となっている。
中央卸売市場と地方卸売市場
卸売市場は、開設者と規模により中央卸売市場と地方卸売市場に大別される。中央卸売市場は、都道府県や一定規模以上の市が農林水産大臣の認定を受けて開設する大規模な市場で、広域の生鮮流通の拠点となる。地方卸売市場は、一定規模以上の市場のうち中央卸売市場以外のもので、都道府県知事の認定を受けて開設され、地方公共団体のほか民間も開設できる。いずれも公共性の高い流通インフラとして、価格形成・集分荷・代金決済・情報受発信の機能を担う。地方公共団体が開設する公設市場は、地域の生鮮品流通を支える一方、運営コストが財政負担となる側面を持つ。
卸売市場法改正と市場経由率の低下
平成30年の卸売市場法改正は、市場流通を取り巻く環境変化を背景に、取引規制を大幅に見直した。従来は全国一律に課されていた第三者販売の禁止、直荷引きの禁止、商物一致の原則などが原則自由化され、各市場が実情に応じて取引ルールを定められるようになった。背景には、産地直送、量販店との直接取引、ネット通販の拡大により、生鮮品が市場を経由する割合(市場経由率)が長期的に低下してきた事情がある。公設の卸売市場では、取扱量の減少と施設の老朽化が重なり、市場の統廃合、PPP/PFIによる再整備、賑わい施設化などの再編が各地で検討されている。
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