老老介護とは、介護する側とされる側がともに高齢者である状態をいう。高齢の夫婦の一方が他方を介護する場合や、高齢の子が高齢の親を介護する場合などがあり、介護者自身の負担や健康が問題となる。
介護する人もまた高齢で、自らの体に不安を抱えながら配偶者や親の世話を続ける——老老介護は、こうした高齢者どうしの介護を指す。高齢化が進むなかで、もはや例外ではなく、介護の現場で広く見られる姿となっている。
国の調査では、在宅で介護する人とされる人がともに六十五歳以上である世帯の割合は六割を超え、過去最高となっている。七十五歳以上どうしの組合せも増えている。高齢の介護者は、自身も体力の衰えや持病を抱えていることが多く、介護の負担が重なれば、共倒れの危険がある。さらに、介護する側も認知症を抱える認認介護も現れている。閉じた関係のなかで負担を抱え込み、外に助けを求められないまま、介護する側が心身を壊してしまうことも少なくない。介護する人自身をどう支え、孤立を防ぐかが、老老介護の重い課題となっている。
介護者自身が抱えるリスク
老老介護で見落とされがちなのが、介護される人だけでなく、介護する人自身が大きなリスクを抱えている点である。高齢の介護者は、自らも体力が衰え、持病を抱えていることが多い。そこに、入浴や排せつの介助、夜間の見守りといった重い負担が加われば、腰や膝を痛めたり、睡眠を奪われて体調を崩したりする。介護する側が先に倒れれば、介護される人も含めて世帯全体が立ち行かなくなる、いわゆる共倒れに至る。さらに深刻なのが、介護する側も認知症を発症する認認介護で、服薬や金銭の管理ができなくなり、安全な生活そのものが脅かされる。介護される人への支援だけでは不十分で、介護する高齢者自身の健康や負担に目を向け、その人を支える視点が欠かせない。
孤立を防ぎ負担を分け合う仕組み
老老介護の世帯は、外部とのつながりが薄く、負担を抱え込んで孤立しやすい。高齢の夫婦だけの世帯や、高齢の親子だけの世帯では、近隣との付き合いも減り、介護の悩みを打ち明ける相手も乏しくなる。助けを求めないまま負担が限界を超えれば、介護を放棄せざるをえなくなったり、痛ましい事態を招いたりすることもある。これを防ぐには、介護する人が一人で抱え込まずにすむよう、負担を分け合う仕組みが要る。一時的に介護を代わって介護者を休ませるレスパイトのためのサービスや、地域包括支援センターによる相談、近隣や民生委員による見守りなどが、孤立を防ぐ手立てとなる。介護する人を孤立させないことが、老老介護の世帯を支える要となる。
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