ジチテン

応急給水

読み:おうきゅうきゅうすい

意味

応急給水とは、災害で水道が断水した際に、給水車や仮設給水栓、備蓄した飲料水などを用いて、復旧までのあいだ被災者へ最低限の生活用水を供給する活動である。

断水した被災地で人がまず困るのは、飲み水とトイレの水である——この生命維持に直結する水を復旧までどうつなぐかが応急給水の課題である。水道事業者である市区町村は、地震などで配水管や浄水場が損壊して給水が止まったとき、給水車(給水タンク車)による運搬給水、避難所や配水池に設ける仮設給水栓、ペットボトルなどの備蓄水を組み合わせて応急的に水を届ける。目安として一人一日3リットルの飲料水確保から始め、復旧の進み具合に応じて手洗いや調理用へと量を増やしていく段階的な運用がとられる。難しいのは、給水車の台数も水源も限られるなかで、病院や福祉施設など水を絶やせない拠点を優先しつつ、住民の給水場所をどう周知し行列をさばくかという現場運営である。被害が広域に及べば自前の体制では足りず、日本水道協会の枠組みを通じた他都市からの応援給水を受け入れる受援の段取りが復旧の速度を左右する。

一日3リットルから始める段階的な確保

応急給水では、まず生命維持に不可欠な飲料水として一人一日3リットルを確保することが当面の目標とされ、断水が長引くにつれて調理・洗面用、トイレや洗濯用へと必要量を引き上げていく考え方が一般的である。発災から3日程度は飲料水中心、その後は1日20リットル、さらに復旧が進めば100リットル前後へと、生活用水まで含めた目標量を段階的に上げていく目安が示されることが多い。初期は給水車や備蓄水で飲料水を最優先に届け、配水管の応急復旧が進めば仮設給水栓や共用栓へと供給手段を移していく。この段階を住民に伝えておかないと、初日から大量の水を求めて行列が混乱する。

水道どうしの相互応援で量を埋める

大規模災害では被災自治体の給水車だけでは到底足りないため、日本水道協会を軸にした全国・地方ブロックの相互応援の枠組みで他都市が給水車と職員を送り込む。受ける側は、応援隊の活動拠点や給水ルート、地元の被害情報の引き継ぎを整える受援体制を平時から準備しておく必要がある。応援に来た給水車が現地の地理や被害状況を知らないまま動くと効率が落ちるため、案内役の確保が実務上の鍵になる。給水拠点の場所や開設時間を住民へどう周知するか、SNSや広報車をどう使うかまで決めておかないと、水はあっても届かない。

つながりのある用語

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