屋内安全確保とは、外への移動がかえって危険な場合に、建物の上階や斜面から離れた部屋など、いる建物の中のより安全な場所へ移って身を守る避難行動をいう。
避難情報が出ても、すでに外が冠水していたら家を出るべきか迷う。屋内安全確保は、浸水や土砂災害が切迫し外へ出る立退き避難がかえって危険な状況で、自宅など今いる建物の中のより安全な場所へ移って命を守る方法である。具体的には、洪水・内水氾濫では浸水想定より高い上階へ移る、土砂災害では崖から離れた側の部屋や階上へ移るといった行動を指す。ただしこれが有効なのは、建物が浸水深を上回る高さと十分な強度を持ち、孤立しても短期間しのげる条件がそろう場合に限られ、木造平屋や浸水深が深い区域では成立しない。そのため屋内安全確保はあくまで立退き避難が間に合わなかったときの次善の手段であり、危険が高まる前に避難場所へ移ることが原則であることに変わりはない。自宅のハザードマップ上の浸水深と建物の階数を照らし合わせ、上階退避で足りるか避難場所へ向かうべきかを平時に判断しておく。
屋内安全確保が成立する条件
屋内安全確保は、どの建物でも有効なわけではない。洪水や内水氾濫に対しては、その場所の想定される浸水深よりも高い階があり、浸水しても水が引くまで孤立に耐えられることが条件となる。浸水深が建物の高さを超える区域や、木造平屋など上階のない住居では、上階に移っても水没や倒壊から逃れられず、屋内安全確保は選べない。土砂災害に対しては、崖や斜面から離れた側の部屋や階上へ移ることになるが、建物ごと押し流される規模の土石流には対抗できない。これらの限界から、屋内安全確保は立退き避難に間に合わなかった場合の次善策と位置づけられる。平時にハザードマップで自宅の浸水想定深と建物階数を照合し、上階で足りるのか避難場所へ向かうべきなのかを事前に判断しておくことが、いざというときの行動の前提となる。
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