生ごみとは、家庭の調理くずや食べ残し、事業所の厨芥など、家庭系・事業系の一般廃棄物のうち水分を多く含む有機性のごみである。
家庭や飲食店から出るごみのうち、調理で出る野菜くずや魚のあら、食べ残し、傷んだ食品といった有機性のものが生ごみである。生ごみは八割前後が水分で占められ、この水分が、ごみ処理のうえでいくつもの難しさの根になっている。重いため収集の負担が大きく、燃やすには水分を蒸発させる余分な熱が要り、放置すれば腐敗して悪臭やカラス・ハエの発生を招く。一方で有機物の塊であるため、水を切れば焼却効率が上がり、堆肥化やメタン発酵で資源にも変えられる。自治体のごみ施策では、生ごみの水切りの徹底や、食品ロスの削減、堆肥化・バイオガス化による資源化が、ごみ減量と焼却負担の軽減を同時に進める要点として位置づけられている。
水分が処理を難しくする
生ごみの扱いにくさは、その高い水分含有率に集約される。水分は焼却炉の中でまず蒸発させなければならず、その分の熱が無駄に消費されるため、燃焼温度が下がって不完全燃焼やダイオキシン類の生成を招きやすくなる。重量がかさむため収集運搬の効率も落ちる。さらに、有機物と水分がそろうと腐敗が進み、悪臭・汚汁・衛生害虫の発生源になる。こうした難しさを和らげる最も手軽な方法が排出時の水切りで、出す前にひと絞りするだけで重量と腐敗をかなり抑えられる。自治体が水切りを繰り返し呼びかけるのは、住民の小さな手間が収集・焼却の負担と費用に直結するからである。
減量・資源化の優先順位
生ごみ対策は、出さない・水を切る・資源化するという順で考えるのが筋道である。最上位は発生抑制で、買いすぎ・作りすぎを見直して食品ロスそのものを減らせば、生ごみは元から減る。次に、出てしまった生ごみは水切りで重量を落とし、焼却の負担を軽くする。それでも残る有機物は、堆肥化やメタン発酵によって肥料やエネルギーに転換し、焼却・埋立てから外していく。これは循環型社会形成推進基本法が掲げる発生抑制・再使用・再生利用の優先順位を、生ごみという身近な品目に当てはめたものである。自治体は、生ごみ処理機への補助や食品ロス削減の啓発、地域ぐるみの資源化施設の整備を組み合わせて取り組む。
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