食品ロスとは、本来は食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食品をいう。食品ロスの削減の推進に関する法律に基づき、その削減が国民運動として進められており、家庭から生じるものと、事業活動から生じるものとがある。
食べられるはずの食品が大量に捨てられる一方で、食べ物に困る人もいる。食品ロスは、こうした矛盾を象徴する問題で、資源の無駄や環境への負荷の面からも、その削減が社会的な課題となっている。
食品ロスは、大きく、家庭から生じるものと、食品の製造、流通、外食などの事業活動から生じるものに分けられる。家庭では、食べ残しや、手をつけないまま期限が切れた食品の廃棄、皮を厚くむきすぎるなどの過剰な除去が原因となる。事業者では、規格に合わない食品の廃棄、売れ残り、返品などが生じる。これらを減らすため、食品ロスの削減の推進に関する法律が定められ、国や自治体、事業者、消費者が連携して削減に取り組むこととされた。市町村は、住民への啓発や、食べきりを促す運動、まだ食べられる食品を必要な人につなぐフードバンクへの支援などを通じて、食品ロスの削減に関わっている。
家庭系と事業系の違い
食品ロスの対策を考えるうえで重要なのが、家庭から生じるものと、事業活動から生じるものとで、原因も有効な手立ても異なるという点である。家庭から生じる食品ロスは、一つひとつは少量でも、世帯の数だけ積み重なって大きな量となる。その削減には、買いすぎを避け、食べきり、上手に保存するといった、一人ひとりの行動の変化を促す啓発が中心となる。一方、事業活動から生じる食品ロスは、製造の段階での規格外品、流通の段階での商慣習に基づく返品、小売や外食の段階での売れ残りなど、事業の仕組みに根ざした原因が多い。その削減には、需要に見合った生産や、過剰な鮮度の要求を見直す商慣習の改善、売れ残りを減らす工夫など、事業者の取組みが鍵となる。どちらに由来する食品ロスかによって、働きかける相手も方法も変わるため、両者を区別して対策を組み立てることが効果的である。
削減の手立てとフードバンク
食品ロスを減らす取組みは、発生を抑えることと、生じてしまう前の食品を活かすことの両面で進められている。発生を抑える取組みとしては、住民への啓発のほか、外食での食べきりや持ち帰りの推奨、小売店での過剰な仕入れの見直しなどがある。一方、まだ食べられるのに流通から外れる食品を活かす取組みとして注目されるのが、フードバンクである。フードバンクは、品質に問題はないが包装の傷みや期限の接近などで売れなくなった食品を、企業や家庭から引き取り、生活に困る人や福祉施設などに無償で提供する活動である。これにより、食品ロスの削減と、食に困る人への支援とを同時に進めることができる。市町村は、こうしたフードバンクの活動を支援したり、住民から食品を集めて寄付するフードドライブの場を設けたりして、食品ロスの削減と福祉の双方に資する取組みを後押ししている。
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