持ち回りとは、一般に物事を順番に受け持つことや、構成員が集まらず書面を順に回して決議する方式を指す。特に自治体においては、これを略して「持ち回り」と呼び、会議を実際には開かずに案件の文書を関係者へ順次回付し、署名・押印によって会議や決裁の了承を得る方法をいう。
通常の会議は構成員が一堂に会して審議するが、緊急で招集する時間がない場合や軽易な案件の場合に、会議を開かずに処理する便法として用いられる。文書を順に回す過程で疑義があれば差し戻されることもあり、最終的に全員の了承が得られた時点で会議や決裁が成立したものとして扱う。あくまで例外的な方法であり、重要な案件や異論が予想される案件では、原則どおり会議を開くべきとされる。
持ち回り決裁と持ち回り会議
庁内で「持ち回り」と言うとき、主に二つの場面がある。一つは持ち回り決裁で、決裁文書を決裁権者や合議先へ順番に回し、それぞれの押印を得て決裁を完了させるものである。もう一つは持ち回り会議(持ち回り審議)で、審議会や委員会を実際に招集せず、議案の文書を各委員に回付して同意を得ることで、会議で議決したものとみなす扱いをいう。いずれも、緊急その他やむを得ない事情があり、会議を開く時間的余裕がない場合に用いられる便法である。実際に、国の審議会等でも「議事の特例」として持ち回り審議の手続が定められている例がある。
使いどころと留意点
持ち回りは事務処理を迅速にする一方で、対面の審議を経ないため、議論を通じた論点の洗い出しや相互のけん制が働きにくい。このため、軽易な案件や、結論に異論が想定されない案件に限って用いるのが一般的で、重要な政策判断や利害が対立しうる案件は、原則どおり会議を開いて審議することが望ましいとされる。また、持ち回りであっても、回付の経過や同意の事実を文書に残し、後から意思決定の過程を確認できるようにしておくことが求められる。
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