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ジチテン

LTE-M

読み:えるてぃーいーえむ

別名:eMTC別名:LTE Cat.M1
意味

LTE-M(eMTC、LTE Cat.M1)とは、3GPPが2016年のRelease 13で標準化したセルラー系LPWAの通信規格である。LTE網の1.4MHz幅を使って最大約1Mbpsの通信を行い、LPWAでありながらハンドオーバー(基地局間の通信引き継ぎ)に対応して移動体でも使える点が特徴である。

移動するものを、安く、電池で長く追いかける——通学児童の見守り端末や除雪車の動態管理が要求する通信を、LPWAの省電力性のまま満たすのがLTE-Mである。LPWAの各方式は省電力と引き換えに機能を削っており、固定設置が前提のNB-IoTSigfoxは移動しながらの通信が苦手である。LTE-Mはハンドオーバーに対応し、最大約1Mbpsとこの分野では高速なため、GPS位置の頻繁な送信、まとまったデータの回収、ファームウェアの遠隔更新まで現実的にこなせる。

国内ではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3事業者がそろって提供しており、複数の事業者から見積もりを取れる唯一のLPWAでもある。ドコモが2020年にNB-IoTを終了してLTE-Mに集約した経緯もあり、セルラー系LPWAの国内の主軸はLTE-Mに寄った。東京都水道局の水道スマートメータ先行実装プロジェクトではドコモ・KDDIのLTE-M回線が使われている。見守り、車両の動態管理、メーター検針、河川監視と自治体の使途は広く、セルラー系LPWAではまずLTE-Mから検討する位置づけの規格になっている。

移動体に使える唯一のLPWA級通信

ハンドオーバー対応は、LPWAの中でLTE-Mだけが持つ決定的な差である。基地局をまたいで通信を引き継げるため、移動する端末からの位置情報送信が安定し、子どもや高齢者の見守りGPS端末、公用車や除雪車の動態管理、バスロケーションシステムの通信に採用される。最大約1Mbpsの速度は、検針値のような数十バイトに対して桁違いの余裕であり、設置後の機器に対するファームウェアの遠隔更新(OTA)を成立させる。これは数百台から数千台の規模で野外に配る機器の保守費を左右する実務上の分かれ目で、遠隔更新ができない方式では不具合修正のたびに現地作業が要る。省電力機能はNB-IoTと共通のPSM(省電力モード)とeDRX(間欠受信)を備え、間欠動作なら電池駆動で年単位の運用ができる。固定で極小データならNB-IoT、対象が動くかデータが太るならLTE-Mというのが選び分けの基本線である。

3事業者がそろう調達上の安心感

国内ではドコモ、KDDI、ソフトバンクの3事業者がLTE-Mを提供しており、LPWAの方式の中で唯一、複数の通信事業者を競争させて調達できる。単一事業者網のSigfoxや、提供事業者が限られるNB-IoTと比べたとき、この事業者の厚みは料金交渉の余地と事業継続の保険という2つの実利になる。ドコモが2019年に始めたNB-IoTを2020年3月で終了しLTE-MとLTE Cat.1に集約した出来事は、セルラー系LPWAの国内市場がLTE-M中心に収斂したことを示した。東京都水道局は令和4年度からの水道スマートメータ先行実装プロジェクト(約13万個の設置計画)で、ドコモ・KDDIのLTE-MとソフトバンクのNB-IoTを併用しており、大規模調達では方式と事業者を分散させてリスクを抑える構成にも実例がある。

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